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文書の管理

e-文書法と電子帳簿保存法

Last Updated on 2023年2月26日 by

e-文書法とは

e-文書法(いーぶんしょほう)は電子文書法ともいい、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」と「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」の総称です。

e-文書法によって、税務関係の帳票類や取締役会議事録など、会社法や税法で保管が義務づけられている文書について、紙だけでなく電子化された文書ファイルでの保存が認められるようになりました。

e-文書法の対象範囲

e-文書法は幅広いビジネス関連文書のデータ保存を認める法律で、原則として「保存が義務付けられているすべての文書」が対象です。具体的にどういう文書にe-文書法が適用されるかは、各府省が定めるため一定ではありません。

基本的に全ての法定文書が対象ですが、「原則として」という表現が入っており、一部の文書は対象外なので、これまでどおり紙で保存しなければなりません。以下の文書です。

対象外となる文書

□ 船舶に備える安全手引書など、緊急時に即座に見読可能な状態にする必要があるもの
□ 免許証、許可証など現物を携帯していることが重要であるもの
□ 「電子帳簿保存法」など個別の法令が適用されるもの

e-文書法に定める対象文書の要件

文書によって求められる要件は異なります。経済産業省により定義されたe-文書法の要件は以下の4つです。

要件の1 見読性

データをパソコンやディスプレイなどを用いて、明瞭な状態で見れる

要件の2 完全性

電子化文書が事故や操作ミスで滅失することを防ぎ、改ざんや消去があった場合に
直ちに事実を確認できる

要件の3 機密性

許可されていない人によるアクセス防止の措置を講じる

要件の4 検索性

必要なデータをすぐに引き出せる検索能力がある

電子帳簿保存法とは

電子帳簿保存法は帳簿と名がつくように、国税に関する文書のデータ保存を認めた法律です。

税務書類のスキャナ保存などについて定めています。

取引先と合意したエビデンスである国税関係書類の原本保存を、自社でスキャンして電子化した電子データ保存に代えるものです。このため原本の代わりとなるように「真実性の確保」と「可視性の確保」の要件が定められています

要件の1 真実性の確保

真実性の確保は、電子帳簿保存法に規定される適正事務処理要件を盛り込んだスキャナ保存事務規程に従って運用管理を行うことが求められています。

書類の授受からスキャン電子化、廃棄に至るまでのプロセスおよび電子データについて改変や消去の抑止、定期的な検査などの各事務に相互けん制、定期的な検査と再発防止策が求められています。

当初のスキャナ保存の要件は厳しく運用されていましたが、領収書と契約書の金額制限や入力者の電子署名の緩和、スマートフォンなどでの入力が可能となるなど要件緩和が行われています。

小規模企業者については、定期的な検査を税務代理人が行うことにより、適正事務処理要件のうち、相互けん制は不要となっています。

要件の2 可視性の確保

可視性の確保は、税務調査が適切に行えるように検索性と見読性が規定されています。

ただし、スキャナ保存の対象は、規則第3条第3項に規定する書類以外の書類とされています。規則第3条第3項に規定する書類とは、具体的には、棚卸表、貸借対照表及び損益計算書などの計算、整理又は決算関係書類となっており、これ以外の書類がスキャナ保存の対象になります。

国税庁ホームページの関連ページ 電子帳簿保存法関係

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