カテゴリー: 防火管理

  • 防災管理者とは?大規模災害から命を守るスペシャリスト

    防災管理者とは?大規模災害から命を守るスペシャリスト

    大規模な地震や台風、さらにはテロなどの災害が頻発する現代において、建物の防災対策はますます重要になっています。その中心的な役割を担うのが防災管理者です。今回は、防災管理者の仕事内容から、防火管理者との違い、そして兼務のメリットまで、わかりやすく解説します。

    防災管理者の仕事内容

    防災管理者の主な任務は、火災以外のあらゆる大規模災害から人命と財産を守ることです。建物の規模や用途によって選任が義務付けられており、具体的な業務は以下の通りです。

    1. 防災管理に係る消防計画の作成・届出: 地震や台風、その他の災害発生時の行動計画(避難方法、情報伝達、応急救護など)を策定し、消防署に届け出ます。
    2. 防災訓練の実施: 計画に基づいて、避難訓練や応急救護訓練などを定期的に実施します。これにより、従業員や利用者が災害時に冷静かつ適切に行動できるように備えます。
    3. 防災資機材の備蓄・維持管理: 食料、水、懐中電灯、救急用品など、災害時に必要となる資機材を備蓄し、常に使用可能な状態に維持します。
    4. 防災教育の実施: 従業員に対し、災害に関する知識や行動を周知させるための教育を行います。

    防火管理者との違い

    防火管理者と防災管理者は、似ているようで異なる役割を担っています。最も大きな違いは、対象とする災害の種類です。

    防災管理者防火管理者
    対象災害火災以外の災害(地震、台風、津波、大規模テロなど)火災のみ
    主な業務防災計画の策定、防災訓練、防災資機材の備蓄・管理など消防計画の策定、消火・避難訓練、消防用設備の管理など
    選任義務大規模な建物(延べ面積、階数、用途などの条件を満たすもの)収容人員が一定数以上の建物

    簡単に言えば、防火管理者が「火災」の専門家であるのに対し、防災管理者は「あらゆる大規模災害」の専門家です。

    防火管理者との兼務について

    防災管理者が選任義務のある建物では、多くの場合、防火管理者の選任義務も発生します。そのため、両方の資格を持つ者が兼務することが一般的であり、推奨されています

    兼務のメリット

    • 業務の一元管理: 2つの業務を1人が担うことで、防火と防災を一体的に捉え、より効率的かつ効果的な管理が可能になります。
    • 責任範囲の明確化: 災害の種類を問わず、建物全体の安全管理を一貫して行えます。
    • コスト削減: 外部に委託する場合、別々に依頼するよりもコストを抑えられます。

    兼務するためには、甲種防火管理者の資格を持つことが前提となります。甲種防火管理者は、防災管理者の資格も同時に取得できる講習を受講するのが一般的です。

    防火管理と防災管理は、どちらも建物の安全を守る上で欠かせない役割です。防災管理者の選任義務がある建物では、ぜひ両方の資格を兼ね備えた人材を配置し、災害に強い会社を目指しましょう。


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  • 会社の避難訓練、なぜ必要?実施方法と担当者が押さえるべきポイント

    会社の避難訓練、なぜ必要?実施方法と担当者が押さえるべきポイント

    会社は火災の避難訓練をやらなければならないのですか?その制度について詳しく教えてください。

    法的な根拠

    火災の避難訓練をやる義務があるのか?という点について整理します。

    会社の避難訓練は 消防法第8条に定められています。

    消防法第8条(要旨)一定規模以上の事業所には「防火管理者」を選任し、消防計画を作成し、消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施義務がある。

    義務となる条件

    避難訓練の義務があるかは、事業所の規模や用途で変わります。例として:

    • 収容人員30人以上の事業所(工場、事務所など) → 防火管理者の選任義務あり
    • 特定用途(病院、ホテル、百貨店、飲食店など)で30人以上収容 → 避難訓練を年2回以上行う義務
    • 非特定用途(一般のオフィスや工場など)で50人以上収容 → 避難訓練を年1回以上行う義務

    ※「特定用途」=不特定多数の人が出入りする施設、「非特定用途」=従業員など限られた人が出入りする施設、という区分です。

    訓練の内容

    避難訓練:非常ベル、避難誘導、避難経路の確認など

    消火訓練:消火器や屋内消火栓の使い方

    通報訓練:119番通報や消防署への連絡手順

    消防署の立入検査があれば計画と訓練の記録を確認されます。

    実務的なポイント

    避難訓練の日時や内容は「消防計画」に記載し、消防署に届け出ます。

    訓練実施後は「記録簿」を作り、消防署に提示できるようにしておきます。

    総合防災訓練シナリオ(例)

    通常は火災を想定した訓練が多いですが、地震を想定した訓練を併せて実施すると効果的です。

    1. 事前準備

    • 防火管理者が訓練計画を作成(日時・参加者・想定火災場所・避難経路・役割分担)
    • 届出義務がある場合は消防署に計画を届け出る(地域により事前届出が必要)
    • 各フロアや部署ごとに「避難誘導係」「消火係」「通報係」などを割り当てる
    • 火災・地震それぞれの初動対応を確認する
    • 避難経路と集合場所を従業員全員が把握する

    2. 訓練の流れ(所要30〜40分)

    【STEP1】地震発生の想定(3分)

    • 担当者が「訓練です!地震発生!」と館内放送
    • 全員が机の下や安全な場所に身を隠す(頭を守る姿勢)
    • 揺れがおさまるまでその場で待機

    【STEP2】地震による二次災害(火災)想定(5分)

    • 揺れが収まった後に「給湯室から火災発生!」とアナウンス
    • 火災報知器を実際に鳴らすか、模擬ベルで知らせる

    ここで「火災訓練」に移行します。

    【STEP3】初期対応(5分)

    • 発見者役が「火事だ!」と大声で周囲に知らせる
    • 通報係が119番へ通報する手順を実演(実際には電話せず口頭でシミュレーション)
    • 消火係が消火器を持ち、訓練用標的に向かって消火動作をする(できれば実際に消火器を使用した訓練が効果的)

    【STEP4】避難誘導(10分)

    • 誘導係が「避難してください」と声をかけ、従業員を非常階段へ誘導
    • 誘導係の指示で、全員が避難経路に沿って非常口へ移動
    • エレベーターは使用禁止を強調
    • 全員が駐車場など指定の避難場所に移動
    • 移動時は「押さない・駆けない・喋らない・戻らない」の原則を確認

    【STEP5】点呼・報告(5分)

    • 建物外の指定避難場所(駐車場など)に集合
    • 部署ごとに点呼を取り、責任者が防火管理者に報告
    • 来客がいた想定で、受付担当が「来客誘導」の確認も実施

    【STEP6】振り返り(5〜10分)

    • 防火管理者または総務担当が講評
    • 良かった点・改善点を共有(例:避難経路の渋滞、消火器の扱いに不慣れ、など)
    • 訓練記録簿にまとめ、消防計画と一緒に保存

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  • 飲食店経営者必見!あなたの店に防火管理者は必要ですか?

    飲食店経営者必見!あなたの店に防火管理者は必要ですか?

    「防火管理者」という言葉を聞いたことはありますか?飲食店を経営する上で、法律で定められた重要な役割です。今回は、防火管理者がなぜ必要なのか、あなたの店が対象となるか、そしてその選任方法まで、分かりやすく解説します。

    収容人員30人以上で防火管理者が必要になります

    すべての飲食店に防火管理者が必要なわけではありません。消防法では、火災の被害を最小限に抑えるため、特にリスクが高いと判断される建物に防火管理者の選任を義務付けています。

    飲食店は、不特定多数のお客様が出入りする「特定防火対象物」に分類されます。このため、従業員とお客様を合わせた「収容人員」が30人以上になる場合、防火管理者を選任しなければなりません。

    項目飲食店(特定防火対象物)
    選任義務収容人員30人以上
    収容人員の計算お客様の数 + 従業員の数

    例えば、お客様が25人入る店でも、従業員が5人いれば収容人員は30人となり、防火管理者の選任が必要になります。

    甲種と乙種、どちらの資格が必要?

    防火管理者には「甲種」と「乙種」の2種類があり、建物の規模によってどちらの資格が必要かが決まります。

    • 甲種防火管理者
      延べ床面積が300㎡以上の建物で防火管理者になれます。
    • 乙種防火管理者
      延べ床面積が300㎡未満の建物で防火管理者になれます。

    甲種防火管理者はすべての建物に対応できるため、将来的に店舗拡大を考えている場合は、甲種の資格を取得しておくと良いでしょう。

    防火管理者は誰がなれる?

    防火管理者は、店長や経営者自身が務めるのが一般的です。重要なのは、実際に防火管理業務を遂行できる「管理的・監督的な立場」にある人物であることです。

    そのため、勤務時間が限られるパートやアルバイト従業員を選任することはできません。

    小規模な店舗でも油断は禁物!

    たとえ収容人員が30人未満で防火管理者の選任義務がない店舗でも、火災のリスクは常に存在します。ガスコンロやIH調理器など、飲食店は火を使う場所が多いため、火災予防には最大限の注意が必要です。

    防火管理者がいなくても、以下の防火対策は徹底して行いましょう。

    • 消火器の設置と点検: 誰でも使える場所に設置し、定期的に点検します。
    • 避難経路の確保: 出入口や通路には物を置かず、常に確保しておきます。
    • 火の元管理の徹底: 営業終了後には、必ずすべての火元を確認しましょう。

    忘れずに!選任手続きと消防訓練

    防火管理者の選任義務がある場合、営業開始時までに資格を取得し、速やかに「防火管理者選任届」を管轄の消防署に提出する必要があります。

    また、選任後は、年に2回以上の消火訓練と避難訓練の実施も義務付けられています。


    火災は、お店の財産だけでなく、お客様や従業員の命を危険にさらすものです。防火管理者は、お客様に安心して食事を楽しんでもらうための「安全の証」でもあります。この機会に、ご自身の店舗の防火体制を見直してみてはいかがでしょうか。


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  • ビルオーナー必見!複合用途ビルの防火管理体制を徹底解説

    ビルオーナー必見!複合用途ビルの防火管理体制を徹底解説

    複数のテナントが入居するビルを所有している皆さん、その防火管理体制は万全でしょうか?一つの建物に多様な用途が混在する「複合用途防火対象物」では、特別な防火管理体制が求められます。今回は、ビルオーナーが知っておくべき「統括防火管理者」の役割と、ビル全体の防火管理について解説します。

    複合用途ビルの防火管理体制とは?

    多くのテナントが入居する複合用途ビルでは、各テナントが個別に防火管理を行うだけでは不十分です。建物全体で連携し、火災の発生を抑え、もしもの事態に備えるための統括的な管理体制が必要になります。

    その中心を担うのが、ビル全体を管理する「統括防火管理者」です。

    ビルオーナーの役割:統括防火管理者の選任

    ビルオーナーには、統括防火管理者を選任する義務があります。この統括防火管理者は、ビル全体の防火安全を確保するための最高責任者です。

    体制としては、統括防火管理者がビル全体を統括し、その下に各テナントの防火管理者が連携するという形になります。これにより、ビル全体として統一された防火管理が可能になります。

    統括防火管理者の4つの主要な役割

    統括防火管理者の主な業務は、以下の通りです。

    ビル全体の消防計画の作成・届出

    統括防火管理者は、ビル全体を見渡した「統括消防計画」を作成し、消防署に届け出ます。この計画には、ビル全体の避難経路、共用部分の管理、火災発生時の情報共有方法などが含まれます。各テナントの防火管理者は、この全体計画に基づいて、それぞれのテナントの消防計画を策定します。

    防火・避難施設の点検と維持管理

    共用部分の廊下や階段、非常口、ゴミ置き場などの管理は非常に重要です。統括防火管理者は、これらの場所が常に避難の妨げにならないよう、定期的に点検・整備を行います。また、防火扉やシャッターといった防火設備が正常に機能するかの管理も大切な役割です。

    共同での消防訓練の実施

    ビル全体で行う消防訓練の方法や実施日を決定し、各テナントの防火管理者に周知・実施を促します。訓練を通じて、火災発生時にテナント間で連携して避難・通報・初期消火が行える体制を構築します。

    防災センターの運営と管理

    多くのテナントが入居する大規模なビルでは、防災センターが設置されています。統括防火管理者は、この防災センターの運営と管理にも責任を持ちます。防災センターの要員は、建物の規模や用途に応じて、防災センター要員講習の受講や自衛消防技術認定証の資格が必要です。これらの要員が適切な知識を持ち、緊急時に迅速に対応できるよう管理します。

    まとめ

    複合用途ビルの防火管理は、単に消火器を置くだけでは不十分です。ビル全体の防火管理を統括し、各テナントと連携することが、入居者や来訪者の安全を守る上で不可欠です。

    ビルオーナーの皆様、統括防火管理者の選任と、その役割の正しい理解を通じて、安全で安心なビル運営を目指しましょう。


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  • 防火対象物の定期点検とは?点検が必要な建物、点検内容、届出制度などを解説

    防火対象物の定期点検とは?点検が必要な建物、点検内容、届出制度などを解説

    消防法では、「消防用設備等の点検」と「防火対象物定期点検」という2つの定期点検が定められています。ここでは、後者の「防火対象物定期点検」に関して詳しく説明します。

    定期点検が必要な防火対象物とは

    「防火対象物定期点検報告制度」は、特定の用途や規模に該当する建物について、火災予防のための管理状況を専門家が点検し、その結果を消防署に報告することを義務付けています。

    具体的には、以下のいずれかに該当する建物が対象となります。

    • 特定用途の建物で収容人員が300人以上
      • 百貨店、映画館、ホテル、病院、飲食店など、不特定多数の人が出入りする建物や、災害時に自力で避難することが難しい人が利用する建物(特定防火対象物)。
    • 特定の条件に該当する小規模な特定用途建物
      • 収容人員が30人以上300人未満の建物で、特定用途に供される部分が3階以上の階または地階にあり、かつ、そこから避難階に通じる階段が一つしかないもの。

    これは、小規模ながらも避難が困難な「雑居ビル」などでの火災事故を防ぐために設けられた制度です。

    どのような点検をするのですか

    点検は、主に以下の項目について行われます。これは、消防用設備自体の点検とは異なり、防火管理体制や建物の管理状況が適切かを確認するものです。

    • 防火管理体制:防火管理者が選任されているか、消防計画は作成・届け出されているか、消防訓練が実施されているか、といった防火管理業務の実施状況。
    • 避難経路の確保:階段や廊下、避難口、防火戸の付近に避難の障害となる物が置かれていないか。
    • 防火設備の管理:防火戸が正常に作動するか、防火シャッターの降下に支障がないか。
    • 防炎物品の使用:カーテン、じゅうたん、暗幕などに防炎性能を示すラベルが付いているか。

    これらの点検は、書類の確認や目視、簡易な動作確認などによって行われます。

    点検をする者に資格は必要ですか

    はい、資格が必要です

    この点検は、「防火対象物点検資格者」が行わなければなりません。

    この資格は、消防設備士や建築士、電気工事士などの関連資格を保有していることや、特定の学歴・実務経験があることを前提として、専門講習を受講して取得するものです。建物の所有者や管理者は、この資格を持つ専門業者に点検を委託するのが一般的です。

    点検をしたら届出は必要ですか

    はい、届出が必要です

    点検結果を「防火対象物点検結果報告書」にまとめ、1年に1回、建物を管轄する消防長または消防署長に提出する義務があります。この報告書には、点検を行った防火対象物点検資格者の記名・押印が必要です。

    他に注意すべき点

    「特例認定」制度: 点検義務のある建物でも、過去3年間、消防法令の違反がなく、防火管理体制が優良であると認められた場合は、防火対象物点検と報告の義務が3年間免除される「特例認定」制度があります。この認定を受けた建物には、「防火優良認定証(優良マーク)」が交付されます。

    罰則: 点検や報告を怠ったり、虚偽の報告をしたりした場合は、罰金や拘留などの罰則が科せられることがあります。

    定期点検は2つあります:

    • 防火対象物定期点検(今回ご説明したもの):建物の管理体制や避難経路などについて、年に1回点検・報告。
    • 消防用設備等の点検:消火器、自動火災報知設備、スプリンクラーなどの消防用設備が正常に機能するかどうかについて、年に2回点検し、その結果を特定防火対象物は年に1回、非特定防火対象物は3年に1回消防署に報告。自社ビルがどちらの点検も必要になる場合は、両方の義務を果たす必要がありますのでご注意ください。

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  • 消火設備、点検してますか? 義務と罰則、知っておくべきこと

    消火設備、点検してますか? 義務と罰則、知っておくべきこと

    建物の安全を守るために設置されている、さまざまな消防用設備。これらは、万が一の火災の際に正しく機能しなければ意味がありません。今回は、消防法で義務付けられている消防用設備の定期点検について、点検の対象となる建物から、誰が点検を行うのか、そして報告義務まで、詳しく解説します。

    消火設備点検は、ほぼすべての建物が対象です

    一戸建ての専用住宅を除き、ほとんどすべての建物には、消防法に基づき、その用途や規模、収容人員に応じた消防用設備(消火器、スプリンクラー、火災報知設備、誘導灯など)が設置されています。

    そして、これらの設備は、定期的に点検を行い、その結果を消防署長に報告する義務があります。たとえ、消火器が1本しかない建物であっても、この義務は適用されます。

    点検は誰が行うべき?

    点検を行う人には、「有資格者」「無資格者(防火管理者など)」の2つのパターンがあります。

    以下の条件に該当する建物は、必ず消防設備士または消防設備点検資格者といった有資格者が点検を行わなければなりません。

    • 建物全体の延べ面積が1,000㎡以上
    • 特定の用途(不特定多数の人が利用する店舗や病院など)が、3階以上または地階にあり、そこから地上へ通じる階段が1つしかない建物

    上記に該当しない建物では、防火管理者などが自ら点検を行うこともできます。しかし、専門的な知識と経験が求められるため、可能な限り有資格者である業者に依頼することが推奨されます。点検が不十分だと、万が一の際に設備が作動せず、人命に関わる事態になりかねません。

    点検の回数と報告の頻度

    消防用設備の点検には、2つの種類があります。

    • 機器点検(6ヵ月に1回以上):外観の確認や、設備が正常に設置されているかの確認を行います。
    • 総合点検(1年に1回以上):実際に設備を作動させ、総合的な性能を確認します。

    これらの点検結果は、「点検結果報告書」を作成し、建物の種類に応じて定められた間隔で消防署に届け出なければなりません。

    • 特定防火対象物(不特定多数の人が出入りする建物)
      • 例:店舗、病院、ホテル、飲食店、映画館、旅館など
      • 報告頻度:1年に1回
    • 非特定防火対象物(特定防火対象物以外の建物)
      • 例:事務所、共同住宅、工場、倉庫など
      • 報告頻度:3年に1回

    点検を怠るとどうなる?

    定期点検や報告を怠った場合、消防法違反となり、罰金や懲役などの罰則が科される可能性があります。さらに、点検義務違反が原因で火災が発生した場合、管理責任が問われ、大きな社会的信用を失うことにもつながります。

    建物の所有者や管理者は、これらの義務を正しく理解し、定期的な点検を通じて、大切な人命と財産を守る責任があるのです。


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