「3年ルール」によって派遣契約が終了する派遣労働者の雇用を安定させる措置義務について解説

採用

講じなければならない措置の内容

労働者派遣法に基づき、派遣元は、同一の組織単位(一般的には「課」などを想定)に継続して3年間派遣される見込みがある有期雇用の派遣労働者で、派遣終了後も継続して就業を希望している者に対して、以下のいずれかの「雇用安定措置」を講じることが義務付けられています(労働者派遣法第30条)。

この措置は、いわゆる「3年ルール」(同一の組織単位で3年を超えて派遣就業できないとするルール)によって派遣契約が終了する派遣労働者の雇用を安定させることを目的としています。

派遣元が講じなければならない措置は、以下の4つです。

  1. 派遣先への直接雇用の依頼現在就業している派遣先の企業に対し、派遣契約終了後に当該派遣労働者を直接雇用するように依頼します。
    • ただし、この依頼を講じたにもかかわらず、派遣先に直接雇用されなかった場合は、後述の2~4のいずれかの措置を講じなければなりません。
  2. 新たな派遣先の提供派遣労働者が継続して働けるよう、新たな派遣先を紹介し、就業の機会を提供します。
    • この場合、提供する新たな派遣先での仕事の条件は、派遣労働者の能力、経験等に照らして合理的なものである必要があります。
  3. 派遣元での無期雇用派遣元である派遣会社が、当該派遣労働者と期間の定めのない労働契約(無期雇用契約)を締結し、自社の社員として雇用を継続する機会を提供します。
  4. その他安定した雇用の継続を図るために必要な措置上記の1~3以外の方法で雇用の安定を図るための措置を講じます。具体的には以下のようなものが挙げられます。
    • 有給の教育訓練を実施すること。
    • 紹介予定派遣の対象とすること。

【ポイント】

  • 派遣期間が1年以上3年未満となる見込みの派遣労働者に対しては、上記1~4の措置を講じる努力義務となります。
  • 派遣元で無期雇用契約を結んでいる派遣労働者や、派遣期間が満了する時点で60歳以上の派遣労働者は、この3年ルールの期間制限の対象外となるため、原則として上記の措置の義務の対象外となります。