Last Updated on 2024年4月26日 by 勝
人事異動があることを定める
規定例
人事異動は、勤務地を変更する転勤、部署を変更する配置転換などのことです。
(人事異動)
第8条 会社は、経営上または業務上の必要があるときは、従業員に対して、就業する場所または従事する業務の変更を命ずることがある。この場合、従業員は正当な理由なくこれを拒むことはできない。ただし、就業する場所または従事する業務を限定する労働契約を締結している従業員については、当該従業員の同意なく就業する場所または従事する業務の変更を命ずることはない。
次は出向についての規定です。出向とは、従業員としての身分を維持したまま、他の会社に勤務させることです。
2 会社は、経営上または業務上の必要があるときは、従業員を在籍のまま他会社へ出向させることがある。この場合、従業員は正当な理由なくこれを拒むことはできない。ただし、就業する場所または従事する業務を限定する労働契約を締結している従業員については、当該従業員の同意なく就業する場所または従事する業務の変更を命ずることはない。
3 会社は、経営上または業務上の必要があり、従業員との個別の合意を得たときは、会社との労働契約を終了させて他の会社に転籍を命じることがある。
ポイント
会社は人事異動を命じることがあり、従業員はその命令に従わなければならないことを、就業規則に定めておく必要があります。会社は就業規則を根拠に異動命令を発するので、就業規則に異動命令の定めがなければ、原則として異動を命じることができません。
業務上必要がある配転命令や出向命令は拒否できないと就業規則に記載します。例外は正当な理由がある場合です。
勤務地限定、業務限定等の条件で採用された従業員については、会社側として合理的な理由があったとしても本人の合意がないと異動させることができません。
いわゆる転籍出向は就業規則を根拠に命じることはできませんが、転籍出向を打診するさいの根拠として記載しておきます。
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モデル就業規則
厚生労働省モデル就業規則は人事異動の部分を次のように示しています。
(人事異動)
第8条 会社は、業務上必要がある場合に、労働者に対して就業する場所及び従事する業務の変更を命ずることがある。
2 会社は、業務上必要がある場合に、労働者を在籍のまま関係会社へ出向させることがある。
3 前2項の場合、労働者は正当な理由なくこれを拒むことはできない。