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休職|就業規則

Last Updated on 2023年4月12日 by

休職制度の留意点定める

休職制度は、法律に基準が定められているものではありません。それぞれの会社が実情や考え方によって自由に制度を設計できます。

規定例

まず、休職を認める事由とその期間を定めます。

(休職)
第9条 従業員が、次のいずれかに該当するときは、所定の期間休職とする。
① 業務外の傷病による欠勤が〇か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないときは〇年以内
② 前号のほか、特別な事情があり休職させることが適当と認められるときは会社が命じた期間、または認めた期間

期間は長いほど従業員に有利ですが、会社として可能な範囲を検討して定めます。一般的には6ヶ月から1年の範囲で定めるところが多いようです。

業務外の傷病期間について、例えば「1か月を超え」と規定したときは、1か月を超えない時期に休職を命じることは(就業規則違反になるので)できず、早期の適用について本人の同意があっても(就業規則以下の労働条件になるので)無効になるとされています

休職の事由については、私傷病を対象とするのが一般的です。起訴休職、公職就任休職、留学休職を設けている会社をまれに見かけます。めったに発生しない事由は②の規定による個別判断で対応することができます。

2 会社が休職の必要性を判断するために必要な書類等の提出を求めたときは、従業員は自らの負担で書類等を整え、速やかに提出しなければならない。また、会社が指定する医師の診断書の提出を求めたときは、従業員は正当な理由なくこれを拒んではならない。

健康診断書の提出や会社指定の医師による診断について定めます。

3 休職期間中は賃金を支払わない。ただし、②については事情により判断する。

賃金の扱いについて定めます。

4 休職期間中に休職事由が消滅したときは、原則として元の職務に復帰させる。ただし、元の職務に復帰させることが困難又は不適当な場合には、他の職務に就かせることがある。

復帰できる状態になったときは原則として元の職場に復帰させます。

5 第1項第1号により休職し、休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は、休職期間の満了をもって退職とする。

休職期間が過ぎても思うような回復にいたらないなどの場合は、退職の手続きに進むのが一般的です。

6 第9条①の休職については、休職期間満了前に復職した場合で、復職後30日を経ないで再び同一の休職事由、ないし類似に事由により欠勤したときは休職を命じることがある。この場合、休職期間は中断せず、前後の期間を通算する。

同一の事由による繰り返しの休職については、休職期間を制限するのが一般的です。

ポイント

中小企業では休職制度が適用されるケースは少ないのですが、実際に対象者が出たときにスムーズに対応できるようにできるだけ詳細に定めておきましょう。

休職期間が満了したときの扱いが難しいところです。復職できる状態かどうかの判断が、本人と会社で一致しないこともあります。その場合の決定手順は別に定めておく必要があります。

休職事由の一つとして起訴休職を定めることがあります。②の「特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき」に含まれているとすることもできます。

関連記事:起訴休職制度の意味とその必要性

詳細な規定を就業規則に盛り込むのは難しいので、できれば別規程を作りましょう。

関連記事:休職制度の留意点

関連規程:休職規程のサンプル

モデル就業規則

厚生労働省モデル就業規則は休職の部分を次のように示しています。

(休職)
第9条 労働者が、次のいずれかに該当するときは、所定の期間休職とする。
① 業務外の傷病による欠勤が か月を超え、なお療養を継続する必要があるため勤務できないとき 年以内
②  前号のほか、特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき 必要な期間
2 休職期間中に休職事由が消滅したときは、原則として元の職務に復帰させる。ただし、元の職務に復帰させることが困難又は不適当な場合には、他の職務に就かせることがある。
3 第1項第1号により休職し、休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は、休職期間の満了をもって退職とする。

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