配転させるときの注意点

Last Updated on 2021年7月1日 by

配転とは

配転とは、人事異動により社内の他の部署に異動すること、または、他の支店に転勤することをいいます。「配置転換」の略です。昇進や昇格も配転の一つです。

わが国の伝統的な雇用管理は、長期雇用を前提とするなかで、企業の成長に伴う、さまざまな局面に対応できるゼネラルな人材を養成する必要があり、そのために、いろいろな職場や業務を経験させることが必要と考えられてきました。

また、こうした定期的な異動を行うことは、不祥事の発生を防ぐ仕組みにもなっていました。

会社は規模が大きいほど頻繁に配転があり、それは大きくなれば当然のこととして受け止められてきました。会社に入った以上、配転に応じることでポストを獲得し収入を増やしていくという暗黙の了解があります。

配置転換は業務命令として実施できる

配転は、同じ企業内での異動なので、他の企業(子会社を含む)に勤務場所が変わる、出向あるいは転籍とは区別されます。

つまり、就業規則等による根拠が明確になっていれば、本人の同意が得られない場合でも、業務命令として配転を命じることができます。

しかし、住居の移転を伴う場合は新しい土地での慣れない生活や、家族の学校、仕事に影響があり、負担が小さいとはいえません。

また、第三者的に見て負担が少ないと思われる場合でも、それぞれの事情で思わぬ負担になる場合があります。

配転について就業規則に記載する

配転は使用者に備わっている業務命令権の一つと考えられていますが、配転命令が有効であるためには、就業規則に配転について記載しその命令に従うべきことが規定されていることが必要です。

人事異動|就業規則

そして、これまでも就業規則に従って配転が計画的にかつスムーズに実施されてきた実績が必要です。

公正な運用

配置転換を業務命令として発令する以上、業務命令権の濫用という問題が伴います。濫用と認められればその業務命令は無効とされ、労働者に実際の損害が生じたときは損害賠償の責を負うことにもなります。

次のようなケースに注意してください。

1.職種や職場を限定して雇用された人は、原則として本人の了解なく採用時の約束を違えることはできません。ただし、所属の事業所が無くなるなど、やむを得ない理由があれば別です。

2.配転の必要性が全く認められない配転命令も問題です。ただし、新しい経験を積ませるということも立派な理由なので、全く理由がないということは通常無いでしょう。

3.配転に不当な動機がある場合はよく問題になります。たとえば組合活動を妨害する意図で支店に飛ばすなどですが、会社がいかに理屈をこねても、客観的に見てそうした意図を感じさせるようであれば通る話しではありません

4.使用者には安全配慮義務があるので、配転先が危険な状態であれば、配転の必要性や安全対策について十分な検討が必要です。

5.病気や要介護の家族を抱えている場合は配慮が必要です。

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