Last Updated on 2025年8月16日 by 勝
入社予定者からの書類が一部提出されていない段階で、入社予定日になってしまった場合、どのように扱うべきでしょうか?
会社にとってのリスク
一部または全部の書類が未提出のまま入社を認めれば、会社にとって以下のようなリスクを伴う可能性があります。
コンプライアンス上のリスク: 提出された書類に虚偽の記載があった場合、時間がたってからだと、内定取り消しや解雇のタイミングが遅れて、トラブルが複雑化する可能性があります。また、社会保険(年金、雇用保険など)の手続きに必要な書類が揃わないと、手続きが遅れ、会社と従業員の双方に不利益が生じる可能性があります。
事務作業の非効率性: 入社後も書類提出の催促が必要となり、人事担当者の事務負担が増加します。書類の提出漏れや紛失といったミスも起こりやすくなります。
規則との矛盾: 就業規則に「所定の採用手続」と定めているにもかかわらず、その手続きを完了させずに社員として受け入れることは、会社のルールと実態が一致していない状態です。これにより、他の規則についても「厳守しなくてもよい」という認識が広がるリスクがあります。
一般的な企業の対応
多くの企業では、入社日までにすべての必要書類を揃えることを厳格に義務付けています。これは、会社が従業員を雇用する上で、採用条件を満たしているかの最終的な確認と、社会保険等の採用手続きをスムーズに行うための基本的な管理体制だからです。
内定者には、提出書類のリストを事前に渡し、入社日までに準備を促します。
入社日前に書類がすべて揃っているかを確認し、不足があれば入社日を延期するなどの対応が必要です。
温情的対応が直ちに問題を引き起こすわけではありませんが、将来的なリスクを避けるためにも、入社手続きを厳格化することを強くお勧めします。
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