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経理の事務

税務署が税務調査にくるそうですが、どういうことを聞かれますか?

Last Updated on 2025年9月3日 by

税務調査は、通常は、提出した確定申告書が正確かどうか確認する手続きです。税務調査にきた税務署員は、帳簿や書類を調べて、申告漏れや誤りがないか、意図的な所得隠しがないかなどを確認します。

調査の流れ

税務調査の流れは次のとおりです。すべてこの通りということではありませんが、一般的にはこうなります。

事前通知

原則として、事前に電話などで調査の日程が通知されます。この際に、調査の対象期間や、準備しておくべき書類などが伝えられます。

契約している税理士がいればすぐに連絡しましょう。当日立ち会ってくれます。税理士の立ち会いは必須ではありませんが、不安が大きければ、スポット契約で税理士に立ち会いをお願いすることもできます。修正申告や交渉が必要になった場合は、税理士に頼んだ方が安心です。

帳簿や書類の確認

税務署員は、売上帳、仕入帳、経費の領収書、請求書、預金通帳など、事業に関わるあらゆる書類をチェックします。帳簿の記載と実際の取引内容が一致しているか、不正な経費計上や売上除外がないかなどを精査します。

現況確認

必要に応じて、事務所や店舗、工場など事業所の内部を視察し、在庫の状況やレジの管理状況などを確認することがあります。

関係者への質問

納税者本人や経理担当者などに、事業内容や取引の実態について質問が行われます。例えば、売上計上方法や現金取引の有無、高額な経費の使途などが聞かれます。ここで答えを拒んだり嘘をつくのは危険です。

正直に、聞かれたことにだけ答えましょう。知らないことを憶測で言わない、余計なことまでおしゃべりしないように、基本的には雑談は控えるのが無難です。

時間が経つと言われたことを忘れてしまうのでメモを取りながら聞きましょう。

調査のポイント

税務署員が注目するポイントは多岐にわたりますが、代表的なものとして以下が挙げられます。

  • 売上の計上漏れ: 現金売上やインターネット取引などがもれていないかなど、売上が正確に計上されているか。
  • 架空経費: 実際には支出していない経費を計上していないか。
  • 個人的な経費の混入: プライベートな支出を事業の経費としていないか。
  • 人件費: 架空の従業員を作っていないか、家族への過大な給与などがないか。

税務調査は「犯罪捜査」ではなく、「帳簿の正確さの確認」を目的にしています。うっかりミスや経理の知識不足での間違いはよくあることなので過度にうろたえることはありません。誠実に対応すれば大ごとになることは少ないです。

指摘と修正申告

調査で申告漏れや誤りが判明した場合、正しい内容に「修正申告」を行うことを促されます。

修正内容や金額は 口頭か書面で示されます。当日示されずに、後日になることもあります。

もし、納税者が指摘内容に納得しない場合は、修正申告をせず、税務署が一方的に税額を決定する「更正処分」を行うこともあります。この場合、納税者は不服申立てを行うことができます。

通常は、合意した内容に基づいて、納税者が修正申告書を作成・提出します。

修正申告の際は、過少申告加算税、重加算税、延滞税などが必要になることがあります。


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