Last Updated on 2025年9月18日 by 勝
毎年1月に税務署に提出する給与所得の源泉徴収票等の法定調書について、税務担当が知っておくべき重要なポイントを解説します。
提出義務と対象範囲
法定調書とは、給与や報酬などを支払った者が、その内容を税務署に報告するために法律で定められた書類です。主なものは以下の通りです。
- 給与所得の源泉徴収票: 従業員に支払った給与や賞与について作成します。
- 退職所得の源泉徴収票: 退職金について作成します。
- 報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書: 弁護士、税理士、作家、プロスポーツ選手など特定の個人事業主やフリーランスに支払った報酬について作成します。
- 不動産の使用料等の支払調書: 不動産の賃料や権利金などを支払った場合に作成します。
すべての支払いについて提出が必要なわけではなく、金額基準が定められています。例えば、給与所得の源泉徴収票では、年末調整を行った従業員のうち、給与の支払金額が500万円を超える人などが提出対象となります。役員や年末調整を行わない人など、対象範囲は細かく定められているため、国税庁の手引きで確認が必要です。
提出期限と提出先
法定調書とそれをまとめた法定調書合計表は、原則として支払いが確定した年の翌年1月31日までに、給与の支払者の所在地を所轄する税務署に提出します。この提出は企業の義務であり、怠った場合は罰則の対象となる可能性があります。
電子申告の義務化
法定調書の提出枚数が一定数以上の場合、e-Tax(国税電子申告・納税システム)または光ディスク等による電子申告が義務付けられています。
- 令和3年1月1日以降の提出分: 法定調書の種類ごとに、前々年に提出すべきであった枚数が100枚以上の場合、電子申告が義務化されています。
- 令和9年1月1日以降の提出分: 上記の基準が30枚以上に引き下げられる予定です。
この義務化の対象となる場合、書面での提出は原則として認められません。提出義務化の基準枚数は今後も変更される可能性があるため、常に最新の情報を確認することが重要です。早めに電子申告の準備を進めておくことをお勧めします。