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経理の事務

法定調書の作成と提出

Last Updated on 2021年7月28日 by

法定調書とは

法定調書とは、その額や支払先などを税務署へ報告することが義務付けられている一定の支払いについて作成する書類のことです。

法定調書の種類

報告が義務付けられている一定の支払いとは、「給与所得の源泉徴収票」や「報酬・料金・契約金及び賞金の支払調書」など、多数あります。

代表的なものは次のものです。

給与所得の源泉徴収票

俸給、給料、賃金、歳費、賞与などの給与等支払った者が提出します。税務署へ給与所得の源泉徴収票を提出する必要があるのは、法人の役員等で年間の給与等が150万円を超えるもの、従業員等で年間の給与等が500万円を超えるもの、などです。

退職所得の源泉徴収票・特別徴収票

役員に対し、退職手当、一時恩給その他これらの性質を有する給与等を支払った者が提出します。支給が決定しているがまだ未支給の退職金も含まれます。「退職所得の特別徴収票」は支払を受けたものの住所地の市区町村への提出です。ただし、死亡退職により退職手当等を支払った場合は、相続税法の規定による「退職手当金等受給者別支払調書」を提出し、この場合は、退職所得の源泉徴収票と特別徴収票は必要ありません。

報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書

外交員報酬、税理士報酬など所得税法第204条第1項各号に規定されている報酬、料金、契約金及び賞金の支払をした者が提出します。税理士報酬等であれば、同一のものに対する年間の支払額が5万円を超えた場合に支払調書を作成します。なお、弁護士・税理士・社会保険労務士・司法書士(登録免許税や印紙税は除く)への報酬は支払調書に記載します。

ただし、行政書士への支払は、一般的にはここでいう報酬に該当しないので、支払調書を提出する必要はありません。しかし、「建築に関する申請若しくは届出」のような、建築代理士の行う業務に含まれるものについては支払調書の提出が必要です。

不動産の使用料等の支払調書

不動産、不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の借受けの対価や不動産の上に存する権利の設定の対価を支払った法人と不動産業者である個人が提出します。同一のものに対する年間の支払高が15万円を超える場合に支払調書を作成します。

不動産等の譲受けの対価の支払調書

不動産、不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の譲受けの対価の支払をする法人と不動産業者である個人が提出します。同一のものに対する年間の支払高が100万円を超える場合に支払調書を作成します。

不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

不動産、不動産の上に存する権利、総トン数20トン以上の船舶、航空機の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払をする法人と不動産業者である個人が提出します。同一のものに対する年間の支払高が15万円を超える場合に支払調書を作成します。

提出

各法定調書を作成したら、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」も作成して、一緒に提出します。

法定調書合計表には、源泉徴収票を添付しない人も含めた年間支払高や徴収税額、源泉徴収票を添付する人の年間支払高や徴収税額も記載します。賃金台帳などをもとに退職者分も含めて計算します。

提出期限は1月31日までです。所在地の税務署に持参してもよいし、郵送でもかまいません。

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