人事考課における「外部要因効果」とは？

Last Updated on 2025年9月20日 by 勝

外部要因効果とは

人事考課における外部要因効果とは、評価者が評価対象者の能力や努力とは関係のない外部の要因を、無意識のうちに評価に反映させてしまうエラーのことです。このバイアスは、評価の公平性を損ない、従業員の納得感を低下させる原因となります。

外部要因効果は、以下のような要素によって引き起こされることがあります。

環境要因: 評価対象者が属する部署やチームが、たまたま業績の良い時期にあったり、反対に逆風にさらされていたりする場合、その影響が個人の評価に反映されてしまうケースです。
景気や社会情勢: 全体的な景気が良い時期には評価が甘くなったり、不景気な時期には評価が厳しくなったりすることがあります。
運や偶然: たまたま担当したプロジェクトが成功した、あるいは失敗したといった、個人の努力ではコントロールできない運や偶然の要素が評価に影響してしまうケースです。

この評価エラーは、組織に以下のような問題を引き起こします。

評価者は、以下の点を意識することで外部要因効果を回避できます。

評価基準の明確化と遵守: 評価項目と基準を再確認し、個人の努力や能力に焦点を当てて評価しましょう。成果だけでなく、その成果に至るまでのプロセス（課題解決への取り組み、貢献度など）も考慮することが重要です。
事実に基づく評価: 評価期間中、従業員の行動や成果を、外部環境とは切り離して客観的に記録しておきましょう。これにより、評価時に運や偶然に惑わされず、個人の貢献度を正確に評価できます。
環境要因の考慮: 評価時には、評価対象者が置かれていた外部環境（例：市場の動向、競合他社の動き）を考慮に入れた上で、その環境下で本人がどれだけ力を発揮したかという視点で評価を行うことが重要です。