Last Updated on 2021年7月28日 by 勝
甘辛調整とは
評価は人が行うものですから、評価者によって甘い辛いが出てきます。
評価者研修を継続するなどの努力によって、ある程度は評価者のレベルを上げていくことはできますが、すべての評価者が同一レベルに達することは困難です。
そこで、一次評価者から上がってきた評価点を補正します。
これを甘辛調整といます。
甘辛調整のやり方
二次評価者が調整する
評価を2段階で行うことは一般的に行われています。直属の上司が行った一次評価をもとに、その上の上司が二次評価を行います。
この二次評価者に、甘辛の補正も行わせるのです
結果的に、上位の者が評価点を付けなおすことになるので、一次評価者のウエイトが下がります。
甘辛調整を機械的に行う
甘辛調整を、機械的にやることもあります。
評価者別の平均点が同じになるように、全員の得点を上げ下げする方式で調整を行うものです。
平均点方式といいます。
例えば、次のような評価結果を得たとします。
評価者 | 被評価者 | 評価点 | 補正 | 補正後評価点 |
甲課長 | Aさん | 45 | +3 | 48 |
Bさん | 50 | +3 | 53 | |
Cさん | 70 | +3 | 73 | |
Dさん | 55 | +3 | 58 | |
Eさん | 60 | +3 | 63 | |
平均 | 47 | 59 | ||
乙課長 | Aさん | 45 | -2 | 43 |
Fさん | 70 | -2 | 68 | |
Gさん | 80 | -2 | 78 | |
Hさん | 60 | -2 | 58 | |
Iさん | 50 | -2 | 48 | |
平均 | 52 | 59 | ||
総平均 | 50 |
全体の平均点は50点でした。これを基準点とします。
甲課長の評価点を平均すると47点です。甲課長は平均より3点辛いわけです。そこで、甲課長の部下には全体の平均点との差である3点を追加します。乙課長の平均点は基準点より2点甘い52点なので、乙課長の部下から全体の平均点との差である2点を削減します。
より精度を上げるには標準偏差を用いる方法もありますが、評価制度を始めたばかりの中小企業では、細部を難しくすると抵抗感が強くなりがちです。
正解はないのですが
甘い人や辛い人がいるのは確かなので、何らかの調整が必要ですが、これで大丈夫といううまい方法はありません。紹介したのは、実際に行われている調整方法の一つです。
いろいろ工夫して、徐々に評価制度に対する満足度を上げていきましょう。