Last Updated on 2022年2月26日 by 勝
設置義務のある事業場
衛生委員会と違って、業種によって設置義務に違いがあります。労働安全衛生法施行令第8条に定められています。
対象業種
| 対象規模(常時使用する労働者数) | |
1 | 林業、鉱業、建設業、製造業(木材、木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業、輸送用機械器具製造業に限る)、運送業(道路貨物運送業、港湾運送業に限る)、自動車整備業、機械修理業、清掃業 | 50人以上 |
2 | 上記1以外の運送業、上記1以外の製造業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・什器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・什器等小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業 | 100人以上 |
常時使用する労働者の数は、日雇労働者、パートタイマー等の臨時的労働者の数を含めて算出します。派遣中の労働者については、派遣先の事業場及び派遣元の事業場の双方に含めて算出します。
事業場とは、主として同一の場所か離れた場所かということによって決められます。同一の場所にあるものは原則として一つの事業場であり、場所的に分散しているものは原則として別個の事業場です。ただし、場所が違っても規模が著しく小さく、独立性が無いものは、直近上位の事業場と一括して一つの事業場として取り扱うことができます。また、同一の場所にあっても、著しく労働の態様が異なる場合は、別の事業場とすることがあります。
安全委員会の設置目的
安全委員会は、労働者の危険を防止、労働災害の原因及び再発防止対策、その他関連する重要事項について、調査審議し、事業者に対し意見を述べる機関です。
労働安全衛生法第17条 事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、安全委員会を設けなければならない。
一 労働者の危険を防止するための基本となるべき対策に関すること。
二 労働災害の原因及び再発防止対策で、安全に係るものに関すること。
三 前二号に掲げるもののほか、労働者の危険の防止に関する重要事項
第三号の重要事項には、次の事項が含まれます。
□ 安全に関する規程の作成に関すること。
□ 法第二十八条の二第一項(建設物、設備、原材料、ガス、蒸気、粉じん等による、又は作業行動その他業務に起因する危険性又は有害性等)又は第五十七条の三第一項(第五十七条第一項の政令で定める物及び通知対象物)及び第二項(調査の結果に基づいて、この法律又はこれに基づく命令の規定による措置等)の危険性又は有害性等の調査及びその結果に基づき講ずる措置のうち、安全に係るものに関すること。
□ 安全衛生に関する計画(安全に係る部分に限る。)の作成、実施、評価及び改善に関すること。
□ 安全教育の実施計画の作成に関すること。
□ 厚生労働大臣、都道府県労働局長、労働基準監督署長、労働基準監督官又は産業安全専門官から文書により命令、指示、勧告又は指導を受けた事項のうち、労働者の危険の防止に関すること。
安全委員会の構成
安全委員会のメンバーについては、労働安全衛生法第17条の2に規定されています。
総括安全衛生管理者
総括安全衛生管理者又は総括安全衛生管理者以外の者で当該事業場においてその事業の実施を統括管理するもの若しくはこれに準ずる者のうちから事業者が指名した者、1名。衛生委員会の議長になる。
安全管理者
安全管理者のうちから事業者が指名した者。ただし、半数については労働者代表の推薦に基づいて指名する。
その他
当該事業場の労働者で、安全に関し経験を有するもののうちから事業者が指名した者。ただし、半数については労働者代表の推薦に基づいて指名する。
安全委員会の運営
委員会の運営については、労働安全衛生規則第23条に定めがあります。
「委員会の運営について必要な事項は、委員会が定める」となっています。
法令で定めがある事項以外は委員会に決定権があります。「事業者が定める」ではないことに注意が必要です。
開催サイクル
毎月一回以上開催するようにしなければなりません。
議事の概要の周知
事業者は、委員会の開催の都度、遅滞なく、委員会における議事の概要を労働者に周知させなければなりません。
周知の方法は次のように示されています。
1 常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること。
2 書面を労働者に交付すること。
3 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。
議事録の保存
事業者は、議事録を作成して3年間保存する義務があります。
議事録には下記の事項を記載します。
1 委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容
2 前号に掲げるもののほか、委員会における議事で重要なもの
設置義務がない場合
委員会を設けている事業者以外の事業者は、安全に関する事項について、関係労働者の意見を聴くための機会を設けるようにしなければなりません。