Last Updated on 2025年8月13日 by 勝
退職理由は答えてよいか
退職した従業員について、他社から問い合わせがあった場合、退職理由を答えるべきではありません。
退職理由を伝えてはいけない理由
個人情報保護の観点:退職理由は、個人のプライバシーに関わる重要な情報です。本人の承諾なく第三者(他社)に伝えることは、個人情報保護法に違反だと主張される可能性があります。
名誉毀損やプライバシー侵害のリスク:もし伝えた退職理由が事実と異なっていたり、本人の名誉を傷つける内容だった場合、名誉毀損やプライバシー侵害で訴えられるリスクがあります。特に、解雇や懲戒処分による退職など、ネガティブな理由の場合はさらに注意が必要です。
不当な差別につながる可能性:退職理由によっては、転職先の採用選考において、本人が不当な評価を受ける可能性があります。
どのように回答すればよいか
他社からの問い合わせに対しては、以下のような回答が一般的で安全です。
「個人情報に関わることですので、お答えできません」
「恐れ入りますが、弊社では退職理由についてお答えしないことになっております」
客観的事実は答えてよいか
他社からの問い合わせに対し、退職した従業員の在籍期間や役職などの客観的な事実も答えないとすることもできます。
客観的な事実であれば、回答しても問題ない場合が多いので、回答すると決めている会社もあります。しかし、トラブルを避けるためには、いくつかの注意点があります。
社内規程かマニュアルに定める:問い合わせへの対応についてルールが定められていれば、それに従います。規定がない場合は、今後のために作成を検討することも有効です。
事実のみを伝える:「〇〇年〇月〇日~〇〇年〇月〇日まで在籍」「役職は〇〇でした」のように、客観的な事実のみを簡潔に伝えます。この際、個人の評価や退職に至る経緯など、主観的な情報は一切含めないようにしましょう。
客観的な情報であっても、「個人情報である」という原則を忘れてはいけません。社内規定に従い、事実のみを簡潔に伝えることが基本です。トラブルを未然に防ぐためにも、可能であれば事前に本人の同意を得ておくのが最も安全な対応です。
特に注意
労働基準法第22条4項に「事前に申し合わせをするなど、あらかじめ第三者と謀って、労働者の就労を妨げるために国籍、信条、社会的身分、労働組合運動に関する事項について通信をしてはならず、」という規定があります。
限定的に解釈して「あらかじめ第三者と謀って」でなければ問題ないという解釈もありますが、結果的に「就労を妨げ」る結果になったり、就労できたとしても、余計なプライバシーを漏らしていれば、やはり、問題ないとは言えないでしょう。慎重にするべきです。