Last Updated on 2024年10月9日 by 勝
作成義務がある事業所
常時雇用する労働者の数が100人を超える会社等は、次世代育成支援対策推進法の規定により一般事業主行動計画を策定し、厚生労働大臣(都道府県労働局)にその旨を届け出なければなりません。これを変更したときも同様です。労働者数100人以下の場合は努力義務です。
常時雇用とは
常時雇用する労働者とは雇用契約の形態に関わらず、次の労働者が該当します。
①期間の定めなく雇用されている者
②一定の期間を定めて雇用されている者であって、過去1年以上の期間について引き続き雇用されている者又は雇入れの時から1年以上引き続き雇用されると見込まれる者
行動計画の内容
行動計画は具体的に作成する必要があります。
1.計画期間(概ね2年から5年)
2.目標
3.目標を達成するための対策とその実施時期
目標の例
□ 妊娠中及び出産後における配慮
□ 子どもの出生時における父親の休暇取得の促進
□ 育児介護休業法の規定を上回る、より利用しやすい育児休業制度の実施
□ 育児休業期間中の代替要員の確保や育児休業中の労働者の職業能力の開発・向上等、育児休業を取得しやすく、職場復帰しやすい環境の整備
□ 短時間勤務制度やフレックスタイム制度の実施等、労働者が子育てのための時間を確保できるようにするための措置の実施
□ 事業所内託児施設の設置及び運営
□ 子育てサービスの費用の援助の実施
□ より利用しやすい子どもの看護のための休暇の措置の実施
□ 育児等退職者についての再雇用特別措置等の実施等
□ ノー残業デー等の導入・拡充や企業内の意識啓発等による所定外労働の削減
□ 年次有給休暇の取得の促進
□ 短時間勤務や隔日勤務等の多様就業型ワークシェアリングの実施
□ テレワーク(ITを利用した場所・時間にとらわれない働き方)の導入
□ 職場優先の意識や固定的な性別役割分担意識の是正のための意識啓発
□ 託児室・授乳コーナーの設置等による子育てバリアフリーの推進
□ 地域における子育て支援活動への労働者の積極的な参加の支援等、子ども・子育てに関する地域貢献活動の実施
□ 子どもが保護者の働いているところを実際に見ることができる「子ども参観日」の実施
□ 企業内における家庭教育に関する学習機会の提供
□ インターンシップやトライアル雇用等を通じた若年者の安定就労・自立した生活の推進
以上は例ですから、これ以外のことでもかまいません。また、目標数に定めはありません。
その他
作成した一般事業主行動計画は、従業員に周知すると共に一般に公開します。概要の公表・周知ではなく、一般事業主行動計画自体を公表・周知する必要があります。一般への公表インターネットなどで、従業員への周知は、掲示などの方法によります。
一定の要件を満たす場合は、都道府県労働局長の認定を受けることができ、その場合は、認定マークを使用することができます。
2025(令和7)年4月1日施行
次世代育成支援対策推進法の改正により、一般事業主行動計画策定時に次の記載が義務付けられます。
計画策定時の育児休業取得状況や労働時間の状況把握等(PDCAサイクルの実施)
育児休業取得状況や労働時間の状況に関する数値目標の設定
この改正は、2025(令和7)年4月1日より施行されます。施行日(2025(令和7)年4月1日)以降に開始(又は内容変更)する行動計画から義務の対象となります。
女性活躍推進法による一般事業主行動計画は→女性活躍法による一般事業主行動計画
女性活躍促進法は働く女性が活躍できる職場環境を整えることを推進していくための法律であるのに対し、次世代法は子育てしやすい環境の整備を促進するための法律です。
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