Last Updated on 2025年8月8日 by 勝
オフィスのレイアウトは、単に机や椅子を配置するだけでなく、社員の働きやすさ、コミュニケーション、生産性、そして企業の文化を形成する重要な要素です。計画的に進めることで、移転を成功させることができます。
レイアウト検討の手順
ステップ1: 移転の目的とコンセプトを明確にする
まず、なぜオフィスを移転するのか、新しいオフィスで何を達成したいのかを明確にすることから始めます。
目的: 生産性向上、社員間のコミュニケーション促進、企業のブランディング強化、新しい働き方の導入(例:フリーアドレス、ABW)、コスト削減など。
コンセプト: 「クリエイティブな空間」「落ち着いて集中できる環境」「オープンで交流が活発な雰囲気」など、目指すオフィスのイメージを言語化します。
ステップ2: 現状の課題とニーズを把握する
現在のオフィスで社員が感じている課題や、新しいオフィスに期待することをヒアリングします。
アンケートやヒアリング
「現在のレイアウトで困っていることは何か?」
「集中して作業できるスペースが欲しいか?」
「気軽に相談できる場が欲しいか?」
「どのような設備や備品があったら便利か?」
「部署ごとの連携をどう改善したいか?」
データ分析
部署ごとの人員構成、使用している機器、保管している書類量などを把握します。
1人あたりの面積や、会議室の利用頻度などを分析することで、必要なスペースの規模を正確に把握できます。
ステップ3: ゾーニングとスペースプランニング
オフィスの全体像を設計し、各エリアの配置を決めていきます。
ゾーニング
集中スペース(個人作業用)
コミュニケーションスペース(会議室、休憩スペース)
リラックススペース(休憩室、カフェエリア)
機能スペース(受付、倉庫、サーバー室、複合機スペース)
これらのエリアを、全体の動線や音の配慮(集中スペースの近くに騒がしいコミュニケーションスペースを配置しないなど)を考慮して配置します。
スペースプランニング
各エリアにどのくらいの面積を割り当てるか、具体的な寸法を決定します。
例えば、「会議室は人数別に大小2つ必要」「休憩スペースには何人分の椅子を置くか」などを具体的に検討します。
消防法や建築基準法など、法的な要件も満たしているか確認します。
ステップ4: 家具・什器の選定と配置
具体的な家具や什器を選定し、配置図を作成します。
レイアウト図の作成
CADソフトや専門のツール、もしくは手書きでも良いので、寸法を正確に反映したレイアウト図を作成します。
どのデスクをどこに置くか、コンセントやLANポートはどこに配置するか、を具体的に書き込みます。
家具の選定
予算、コンセプト、機能性(収納力、 ergonomic designなど)を考慮して、デスク、椅子、棚、パーティションなどを選びます。
移転を機に、機能性の高い新しい家具を導入するのも良いでしょう。
専門家の力を借りるべきか?
結論から言うと、専門家の力を借りることを強くお勧めします。
レイアウト検討は、自社だけで行うには非常に労力がかかり、専門知識も必要です。特に、社員の満足度を高め、生産性向上に繋がるレイアウトを創り出すには、プロの知見が不可欠です。
法的な規制や建築の専門知識も持っているため、思わぬトラブルを防げます。
まずはいくつかの専門家から相見積もりを取り、自社の目的や予算に合ったパートナーを見つけることから始めるのが良いでしょう。
特に以下のような場合は、専門家のサポートが不可欠です。
オフィス移転が初めてでノウハウがない場合
専門家は、オフィスレイアウトに関する豊富な知識と経験を持っています。
社員数が多く、大規模なレイアウト変更が必要な場合
複雑な動線や多様なニーズを整理し、最適なプランを立てるにはプロの視点が必要です。
デザイン性やブランドイメージを重視する場合
オフィスのコンセプトを具現化し、社員のモチベーションを高める魅力的な空間を創り出すには、デザインのプロの力が必要です。
業務を止めずにスムーズな移転をしたい場合
専門家は、移転プロジェクトのマネジメントにも長けているため、スケジュール調整や業者間の連携を円滑に進めてくれます。
専門家の種類
オフィスデザイン会社:
レイアウト設計から内装工事、家具選定まで、オフィス移転全体をトータルでサポートしてくれます。企業のブランディングや働き方のコンセプトを反映した、オリジナリティあふれる空間を提案してくれます。
内装工事業者
構造的な工事(壁の設置、電気配線など)を中心に請け負います。デザイン会社と連携して、内装工事を担当することが多いです。
引越し業者
家具や什器の配置作業まで含めて依頼できる業者があります。