Last Updated on 2023年7月14日 by 勝
強制適用ではない事業所
社会保険(健康保険と厚生年金保険)は、法人(株式会社、合同会社、社会福祉法人等)の事業所であれば全ての事業所が加入しなければなりません。個人が営む事業でも5人以上雇用してれば強制適用になります。
例外として、個人が営む、法定16種以外の事業所は社会保険の強制適用を受けません。
次の事業所です。
1.農林、水産、畜産などの第一次産業の事業所
2.旅館、料理店、飲食店、映画館、理容業などの事業所
3.弁護士、税理士、社会保険労務士などの事業所
4.神社、寺院などの宗教関係の事業所
以上の事業所は、個人事業であれば何人雇用していても社会保険の強制適用を受けません。
ただし、上記3の士業については2022年10月からは、適用業種に加えられます。適用の対象となる士業は、弁護士、沖縄弁護士、外国法事務弁護士、公認会計士、公証人、司法書士、土地家屋調査士、行政書士、海事代理人、税理士、社会保険労務士、弁理士です。
任意で適用を受けることができる
強制適用事業所に該当しなければ加入する義務はありませんが、あえて社会保険に加入したい場合は、任意適用事業所の認可を受けて健康保険・厚生年金保険の適用事業所となることができます。
この申請をするには、被保険者になることが予定される従業員の2分の1以上の同意が必要です。この2分の1の判定にあたっては事業主本人は従業員数にカウントしません。
認可されると、従業員は、反対した人も含めて全員被保険者になります。
なお、2分の1以上の希望があったとしても任意適用の認可申請をするかどうかは事業主の判断に任されています。労災保険や雇用保険の扱いとは違うところです。
適用事業所になると、保険給付や保険料などは、強制適用事業所と同じ扱いになります。
任意適用事業所の場合、健康保険のみ、厚生年金保険のみのどちらか一つの制度のみ加入することもできます。
適用事業所になっても、個人事業の場合は、事業主は社会保険に加入できません。国民年金と国民健康保険のままです。
任意適用の手続き
従業員の2分の1以上の希望(同意)があり、事業主が社会保険への加入を判断したときに、健康保険・厚生年金保険任意適用申請書と、新規適用届を所轄年金事務所に提出します。
同意書は、反対した従業員も含めて全員の住所氏名を記載します。その上で、反対した従業員の欄の「同意の認印」欄に斜線を引きます。
添付書類は、同意書以外は、新規適用と同様です。
下記のページは、日本年金機構ホームページの任意適用についてのページです。任意適用申請書の書式と記載例、同意書の書式をダウンロードできます。
脱退の手続き
任意適用事業所の場合は、被保険者の4分の3以上の人が適用事業所の取消に同意した場合には、事業主が申請して厚生労働大臣の認可を受け適用事業所を脱退することができます。
この場合も、4分の3以上の希望があったとしても事業主が取消する必要がないと判断すれば取消の認可申請をする必要はありません。
労働保険の任意適用事業
労働保険(労災保険と雇用保険)にも加入が免除される事業があります。
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