希望退職募集の文書サンプルを示します。希望退職の詳細は「要項」に記載しますが、「事情説明と謝罪の文書」をセットで作成するのが一般的です。
事情説明と謝罪の文書
希望退職者募集に関するお知らせとお願い
令和〇年〇月〇日
全従業員各位
株式会社〇〇〇〇
代表取締役社長 〇〇 〇〇
拝啓
皆様におかれましては、日頃より当社の事業活動に多大なるご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。
この度、誠に不本意ではございますが、「希望退職者」の募集を実施させていただくことになりました。長年にわたり会社に貢献してくださっている皆様に対し、このようなご案内を差し上げざるを得ない事態となりましたこと、経営陣一同、心よりお詫び申し上げます。
記
1. 業績悪化の背景と現状
皆様もご承知の通り、当社の属する〇〇業界は、近年、構造的な不況に直面しております。
- 業界全体の需要低迷:市場の縮小や競争の激化により、売上高は想定を大きく下回る状況が続いております。
- 急激な業績悪化:こうした業界環境に加え、直近では(例:原材料価格の高騰、海外市場の変動、新製品開発の遅延など、具体的な業績悪化要因を追記)といった要因が重なり、当社の業績はさらに急速に悪化し、大幅な赤字を計上する見込みとなっております。
2. これまでの経営努力
当社といたしましても、この厳しい状況を打破するため、(例:経費削減、新規事業の立ち上げ、不採算部門の統廃合など、具体的な施策を追記)といった経営改善策を講じてまいりました。また、役員報酬のカットや、諸費用の抑制など、あらゆる手を尽くしてまいりました。
しかしながら、一連の施策による効果は限定的であり、現行の人員体制を維持したままでは、これ以上の資金繰りの悪化を避けられず、企業の存続そのものが危ぶまれる極めて深刻な状況に至っております。
3. 希望退職者募集の趣旨と目的
この難局を乗り越え、企業として再生し、残存する雇用を維持していくためには、大変心苦しいお願いではございますが、やむを得ず「人員構成の適正化」を断行する必要があると判断いたしました。
今回の希望退職者の募集は、苦渋の選択であり、会社再建に向けた最終手段となります。企業の再生と持続的な成長を実現するための、緊急かつ不可避な経営判断として、何卒ご理解いただきたくお願い申し上げます。
4. 募集の概要
本募集の詳細につきましては、別途添付の「希望退職者募集要項」をご確認ください。
会社といたしましても、退職される皆様の今後の生活に最大限配慮し、特別退職金の支給や、再就職支援など、万全のサポート体制を準備しております。
5. 結びの言葉
長きにわたり当社を支えてくださった皆様に、このようなお願いをしなければならない事態となりましたこと、重ねて深くお詫び申し上げます。
今回の募集は、従業員皆様の将来と会社の存続を天秤にかけた、苦渋の決断であることをご理解いただければ幸いです。
皆様には、この困難な状況にご理解とご協力を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
敬具
ご留意いただきたい点
- 具体的な業績悪化要因や、これまでの経営努力は、貴社の実情に合わせて具体的に記述してください。
- 「希望退職者募集要項」は、この文書とは別に、募集期間、対象者、優遇措置、応募方法などを詳細に記載したものを必ず用意してください。
- この文案は一般的なものであり、最終的な表現については、法務部門などと相談の上、慎重に決定することをお勧めします。
要項のサンプル
希望退職実施要項
〇〇株式会社従業員各位
〇〇株式会社代表取締役社長 〇〇〇〇
(実施窓口 総務部人事課長〇〇〇〇)
一 今回当社において実施する希望退職については次の通り取り扱います。
ニ 希望退職の募集人員は、〇〇名とします。
三 募集対象者は、〇〇年〇月〇日現在において〇〇歳以上の者とします。なお、〇〇部門勤務者は対象としません。
四 希望退職者に対し退職金の〇〇%相当額の退職金の特別加算を行います。
五 募集期間は、〇〇年〇月〇日から〇〇年〇月〇日〇時までの〇週間とします。
六 募集期間の途中で応募者が募集人員に達したときは、その時点で募集を打ち切ります。
七 応募者は会社と別紙合意書を締結し退職手続きを開始することになります。退職日は〇〇年〇月〇日とします。
八 会社が業務上特に必要とする者については退職を承認しないことがあります。
ご留意いただきたい点
ポイントは、希望退職に応じた場合の条件、募集期間、応じた後のスケジュールです。

