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希望退職の募集

Last Updated on 2020年6月26日 by

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希望退職を募集するとき

希望退職の募集は、会社の採算性の回復などを目的に、一定の時期を決めて、従業員に対して自発的な退職を求める措置です。通常の退職時よりも優遇措置を用意するのが一般的です。

希望退職の募集は整理解雇の前段で行われることがあります。整理解雇を行うには実施の前に「解雇回避努力」の義務(整理解雇の四要件又は四要素の一つ)があるため、希望退職の募集によって、この要件(要素)をクリアしようとするものです。

また、整理解雇をする予定がなくても余剰人員を削減し生産性を向上させる目的で実施する場合もあります。

希望退職の実施手順

1.希望退職を募集する経営上の必要性について文書にする。

2.希望退職の募集人数、職種等の範囲、応募者に対する優遇措置等を決定する。

3.従業員代表との協議を開始する。労働組合があるときは労働組合との協議、労働組合がないときは過半数代表者との協議と、全従業員に対して説明文書の配布や説明会を開催する。

4.希望退職実施要項(参考例を下に示しました)を配布し受付を開始する。

5.応募者との面談を開始する。

6.個別の合意を得て合意書を作成し、退職手続きを開始する。

雇用保険の扱い

雇用保険においては、希望退職の募集に応募して退職した人は「特定受給資格者」になります。

ただし、この「希望退職募集」は、「人員整理を目的とし、措置が導入された時期が離職者の離職前1年以内であり、かつ、当該希望退職の募集期間が3ヶ月以内であるものに限る」とされているので、恒常的に募集している早期退職制度に応募しても、特定受給資格者には該当しません。

雇用保険の失業給付においては、自己都合退職より会社都合退職の方に有利な支給がされます。

また、特定受給資格者に準じるものとして「特定理由離職者」というものがあります。「特定理由離職者」の基準の一つに、「特定受給資格者の範囲に該当しない者で」、「企業整備による人員整理等で希望退職の募集に応じて離職した者」というものがあります。

したがって、人員整理を目的とした希望退職募集に応募したケースは、自己都合退職ではなく、特定受給資格者または特定理由離職者として判定され「会社都合」となるのが一般的です。

応募者の選別ができるか

希望退職を募集したところ、辞めてほしくない人が応募してくる場合があります。この場合に応募を拒否できるでしょうか。

募集の要項などに「会社は業務上の都合により希望退職者の申入れを拒否することがある」などの文言を入れ、退職を思いとどまるように慰留することは違法ではありません。しかし、慰留しても退職するというのであれば引き留めることはできません。

対象外の従業員から応募があった場合

希望退職の募集要項等で年齢や職種などに一定の範囲を設定した場合は、対象外となっている従業員から応募があったときは拒否できます。

この場合、対象外であるので退職金の増額等の優遇措置は適用できないことを説明して、それでも本人が退職を希望するときは、通常の自己都合退職として取り扱うことになります。

希望退職募集要項の例

希望退職実施要項

〇〇株式会社従業員各位

〇〇株式会社代表取締役社長 〇〇〇〇

(実施窓口 総務部人事課長〇〇〇〇)

一 今回当社において実施する希望退職については次の通り取り扱います。

ニ 希望退職の募集人員は、〇〇名とします。

三 募集対象者は、〇〇年〇月〇日現在において〇〇歳以上の者とします。なお、〇〇部門勤務者は対象としません。

四 希望退職者に対し退職金の〇〇%相当額の退職金の特別加算を行います。

五 募集期間は、〇〇年〇月〇日から〇〇年〇月〇日〇時までの〇週間とします。

六 募集期間の途中で応募者が募集人員に達したときは、その時点で募集を打ち切ります。

七 応募者は会社と別紙合意書を締結し退職手続きを開始することになります。退職日は〇〇年〇月〇日とします。

八 会社が業務上特に必要とする者については退職を承認しないことがあります。