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雇用保険の特定理由離職者

Last Updated on 2024年8月29日 by

特定理由離職者とは

有期の雇用契約を希望したのにも関わらず更新されなかった人や、心身状態が悪くなった、急な家庭環境の変化などの理由でやむを得ず離職した人が該当します。

特定理由離職者の範囲

1.有期雇用労働者の雇止め

期間の定めのある労働契約の期間が満了し、その者が当該更新を希望したにもかかわらず、更新についての合意が成立せず、そのことにより離職した者は特定理由離職者になります。

この理由により特定理由離職者に該当すると、基本手当の2か月間の給付制限がない他に、給付日数の優遇措置があります。(受給資格に係る離職の日が2009年3月31日から2025年3月31日までの間にある場合、所定給付日数が特定受給資格者と同様となります。)

ただし以下の2点に該当する場合は特定受給資格者になります。

□ 有期契約で3年以上雇用されている場合で契約更新されずに退職した
□ 有期契約で「契約更新あり」にも関わらず契約更新されなかった

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また倒産等の理由で雇用契約が更新されなかった場合は特定受給資格者になります。

一定の有期雇用労働者の雇い止めを特定理由離職者に該当させる取り扱いは、暫定的な措置とされていて、数度に渡って延長されてきました。現状(令和4年3月時点)では令和7年3月末までの期限が設定されています。

2.正当な理由のある自己都合により離職した者

体力の不足、心身の障害、疾病、妊娠、出産、育児、介護等により正当な理由のある自己都合により離職した者は特定理由離職者に該当します。

この理由による特定理由離職者は、基本手当の2か月間の給付制限がありません。ただし、1の一定の有期雇用労働者の雇い止めの場合と違って給付日数は増加しません。

正当な理由のある自己都合退職とは次の場合です。

(1)体力の不足、心身の障害、疾病、負傷、視力の減退、聴力の減退、触覚の減退等により離職した者

(2)妊娠、出産、育児等により離職し、雇用保険法第20条第1項の受給期間延長措置を受けた者

(3)父若しくは母の死亡、疾病、負傷等のため、父若しくは母を扶養するために離職を余儀なくされた場合又は常時本人の看護を必要とする親族の疾病、負傷等のために離職を余儀なくされた場合のように、家庭の事情が急変したことにより離職した者

(4)配偶者又は扶養すべき親族と別居生活を続けることが困難となったことにより離職した者

(5)次の理由により、通勤不可能又は困難となったことにより離職した者
(a)結婚に伴う住所の変更
(b)育児に伴う保育所等の利用又は親族等への保育の依頼
(c)事業所の通勤困難な地への移転
(d)自己の意思に反しての住所又は居所の移転を余儀なくされたこと
(e)鉄道、バスその他運輸機関の廃止又は運行時間の変更
(f)事業主の命による転勤又は出向に伴う別居の回避
(g)配偶者の事業主の命による転勤若しくは出向又は配偶者の再就職に伴う別居の回避

(6)その他、特定受給資格者に該当しない企業整備による人員整理等で希望退職者の募集に応じて離職した者等


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