退職はどの段階で確定するのでしょうか

Last Updated on 2022年4月1日 by

退職が確定するとき

双方が合意したとき

従業員からの退職願の提出は、法的には「会社に対して雇用契約を解約する申し込み」です。

この「願」に対して、会社が承諾すれば、合意した退職日において労働契約の終了が確定します。

就業規則の退職に該当したとき

就業規則には退職に関する規定があり、そこにはそのようなときに退職になるかが記載されています。

関連記事:退職|就業規則

行方不明従業員の扱い

行方不明の場合は、例えば「無断欠勤14日」で懲戒解雇と決めている場合は、それを適用することもできるでしょう。ただし、行方不明の事情が明らかになっていない段階で懲戒解雇というのはいささか乱暴です。事故や事件など、本人に落ち度の無い事情で連絡がとれないこともあるので、上記就業規則例(5)を適用して普通退職、あるいは休職規定の適用が妥当でしょう。

上記の就業規則では、退職の意思表示があったものとみなすという「みなし」を規定していますが、解雇の場合には、相手方に解雇の意思表示が伝わる必要があるとされているので、解雇を確かなものにするためには、簡易裁判所に申立てを行い、官報への掲載などを経て、相手方に解雇の意思表示が到達したものとみなされるという手続きをふむ必要があります。

家族が代筆した退職願は有効か

家族から出された退職届は無効だと考えるべきでしょう。本人の真意が確認できないからです。家族から出された退職届に基づいて退職の手続きを行うと、後々問題になることがあります。

病気になり回復の見込みも薄いとして家族から退職願が出されることもありますが、この場合も、本人の真意が確認できればよいのですが、そうでない場合は、就業規則に定めてある休職退職の日まで待って、休職満了後退職を選択するべきです。

退職願の撤回

会社が承諾するまでは雇用契約の解約が確定していないので、会社が承諾する前なら撤回することができます。

翌日になって退職願の撤回を申し出た従業員が敗訴している裁判例があります。そのため「退職の申し入れに対して、人事権限のある者が承諾した場合には解約合意が成立し、これを後日取消することはできない」という扱いが定着しています。

つまり、人事権がない上司の手元にある段階であれば撤回することができるということになります。

ただし、就業規則で退職の確定段階を定めている会社であれば、その就業規則によることになります。もし「社長が承認したとき」と書いてあれば、人事権がある部長等が承認したとしても社長が承認するまでは退職が確定しないということになります。

退職願という文書がなくても、口頭で「退職する」と伝えれば退職の意思表示がされたことになります。文書がなくても効力は同じです。ただし、証拠がないので言った言わないの水掛け論になることがあります。通常は、退職の意思表示と同時に退職願という文書を提出させるます。

撤回が認められるケース

上述したとおり、退職の意思表示が人事権のある上司に到達すれば撤回できないのですが、退職意思を撤回してくるケースは少なくありません。

一つは、「錯誤」です。退職しなくてもよいのに、退職しなければならないと勘違いして退職届を出してしまったケースです。その事情によって撤回が認められることがあります。

次に「心裡留保」があります。退職する意思はないのに、反省を示すために退職願を出したら受理されてしまったというケースです。事情によっては撤回が認められることがあります。特に、上司が反省を示すために必要だなどと誘導したときは撤回を認められる可能性が高くなるようです。

また、強要されたり、騙されたりして意思に反して退職願を出したケースは、強要などの事実が認められれば撤回が認められるでしょう。

会社事務入門退職の手続き>このページ

投稿日:
カテゴリー: 退職