雇入時健康診断について

Last Updated on 2021年8月22日 by

雇入時健康診断とは

雇入時に実施する者を雇入時(やといいれじ)健康診断といいます。

受診項目は定期健康診断と同じです。

定期健康診断と違って、所轄労働基準監督署長への報告は必要ありません。

食堂・炊事場で給食の業務に従事する労働者には、「検便」の追加が必要です。

対象者

対象者は正社員だけではありません。法律では「常時使用する労働者」となっています。

具体的には次の通りです。

1.雇用期間の定めのない人
2.雇用期間の定めはあるが、契約の更新により1年以上使用される予定の人
3.雇用期間の定めはあるが、契約の更新により1年以上引き続き使用されている人

上記のうち、特定業務従事者(深夜業、有機溶剤等有害業務従事者)は1年を6ヶ月と読み替えます。

パートタイマーやアルバイトであっても、1週間の所定労働時間が同種の業務に従事する通常の労働者の4分の3以上あるときは対象になります。

なお、通常の労働者の1週間の所定労働時間数の概ね2分の1以上である者も「常時使用する労働者」とみなし、雇い入れ時健康診断を行うことが望ましいとされています。

以上の労働者を雇用したときは雇入れ時健康診断を実施しなければなりません。職種、事業規模を問わず全ての事業場において義務になっています。

除外

労働安全衛生法には「医師による健康診断を受けた後、3ヶ月を経過しないものを雇い入れる場合において、その者が当該健康診断の結果を証明する書面を提出したときは、その項目についての健康診断をおこなわなくてよい」とあります。

つまり、本人が受診した健康診断の書類を提出したときは、その健康診断が雇入れの前3ヶ月以内に行われたものであれば、雇入れ時健康診断を省略できます。ただし、健診項目を満たしているかどうかのチェックが必要です。

同様に、新卒採用の場合で学校から健康診断書が提出される場合に雇入れ時健康診断を省略することがあります。ただし、その健康診断の実施日によっては別途雇入れ時健康診断が必要です。また、健診項目を満たしているかどうかのチェックが必要です。

実務的には、採用時点で定期健康診断の実施日が間近である場合は雇入れ時健康診断を省略することがあります。例えば、雇入れ時健康診断を受けさせてその翌月に定期健康診断を受けさせるのは合理的ではないと考えるからです。どれくらいの間隔が許容されるかの判断は難しいのですが、3ヶ月以内の場合はまとめることが多いようです。

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