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経理の事務

減価償却

Last Updated on 2021年7月14日 by

減価償却とは

建物、器具備品、車両などの資産は、時の経過等によって少しずつその価値が減っていくものです。したがって、購入した年度で全額を経費とするのではなく、使用する期間を推定して、例えば10年にわたって使用するものだとすれば、経費も10年間の分割にすることになっています。

このような資産を、減価償却資産といいます。「価値」が「減っていく」資産という意味です。

固定資産の中でも土地や書画骨董・貴金属でできている道具などのように価値が減じないと考えられているものは減価償却できません。

資産の額の決め方

減価償却をするには資産の価額を確定させなければなりません。資産の価額には、購入価額や製造原価のほか、引取運賃や購入手数料なども含まれます。

消費税を含めるかどうかは納税者の経理方式によります。つまり、税込経理であれば消費税を含んだ金額で、 税抜経理であれば消費税を含まない金額で判定します。なお、免税事業者の経理方式は税込経理です。

修理代金も資産になることがあります。既存の資産に対して加えた修理等が、いわゆる「資本的支出」に該当する場合は、原則的には、既存の資産は従前の方法で償却を続け、資本的支出となる修理等の費用は、新規資産を取得したものとして償却することになります。ただし、既存の資産に加算して償却する特例もあります。

法定耐用年数と償却率

減価償却資産の使用可能期間とそれに応じた償却率は、法定耐用年数が財務省令の別表で定められています。

有形固定資産は、1円(備忘価額)まで償却できます。無形固定資産の残存価額はゼロです。

減価償却額の計算には、定額法と定率法があります。減価償却の方法を変更する場合には、変更をしたい年の3月15日までに所轄の税務署長へ申請書を提出して承認を受ける必要があります。

定額法

定額法は、減価償却の対象となる固定資産の購入代金を法定耐用年数の期間で同額ずつ償却していく方法です。

(例)100万円で耐用年数5年の物品を購入した場合
100万円を5分割し、5年間で20万円ずつ償却します。

定率法

定率法は、毎年未償却の金額に一定の償却率を掛けて償却していく方法です。

(例)100万円(取得原価)÷定額法の償却率(1/10(耐用年数))×2(200%定率法) =20万円

減価償却の会計処理

減価償却費は販売費一般管理費(経費)です。

減価償却を会計処理する場合には、減価償却費を固定資産から直接減少させる直接法と、減価償却費を累積させて表示する間接法の2通りの方法があります。

引当金を設定する仕訳

(借方)    (貸方)
減価償却費   減価償却引当金

直接控除する仕訳

(借方)    (貸方)
減価償却費  建物など

年の中途で取得した資産についての減価償却費は、その年において使用した月数に応じた分だけです。使用月数は暦に従って計算し、1か月未満の端数があるときは切り上げます。

少額減価償却資産の特例

青色申告を行っていて、従業員数が1,000人以下の個人事業主や中小企業(資本金1億円以下の法人)の方には、少額減価償却資産の特例という制度があります。これは、取得価額が30万円未満の減価償却資産に関して、一括で減価償却費として費用計上することができるものです。(特例なので該当年度に注意が必要です。)

取得価額が10万円以上20万円未満の減価償却資産については、取得価額の合計額の3分の1に相当する金額をその業務の用に供した年以後3年間の各年分において必要経費に算入することができます。

なお、10万円未満の資産は、どの会社等でも費用として計上することができます。

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