Last Updated on 2025年9月20日 by 勝
支店における小口現金に関するマニュアルです。
支店小口現金取扱マニュアル(サンプル)
このマニュアルは、小口現金の適正な管理と運用を目的としています。本社の経理部門が支払うべき取引先への支払いを除き、支店での少額かつ緊急性の高い経費にのみ適用されます。
1. 小口現金制度の概要
小口現金とは、支店の日常的な経費(例:切手代、備品代、交通費など)を迅速に支払うために、支店に保管される少額の現金です。
2. 各役職の役割と責任
支店長
- 小口現金限度額の申請: 小口現金の限度額は、支店長の申請に基づき、本社経理部長が最終決定します。
- 承認権限: 支店長は小口現金の払い出しや精算の承認を行います。領収書や目的を十分に確認し、不正な利用がないかチェックする責任があります。
- 管理責任: 支店長は小口現金の適正な管理を現金出納係に指示し、定期的な監査を実施します。
現金出納係
- 小口現金の保管: 現金出納係は支店に設置された金庫などで、小口現金を安全に保管します。
- 出納業務: 支店長の承認を得て、小口現金の払い出しを行います。
- 帳簿記録: 払い出しの都度、小口現金出納簿に日付、目的、金額、受領者などを正確に記録(入力)します。
- 定期精算: 定期的に現金残高と帳簿残高が一致しているか確認し、不足が見込まれるときは本社に追加支給を申請します。通常は本社から定期的に補充されます。
支店の従業員
- 申請と受領: 小口現金を必要とする場合は、所定の用紙に必要事項を記入し、支店長の承認を得て現金出納係から払い出しを受けます。
- 精算: 小口現金で支払った場合は、速やかに領収書を現金出納係に提出し、精算手続きを行います。
3. 小口現金利用の流れ
- 申請: 小口現金を必要とする従業員は、「小口現金支払依頼書」に日付、用途、金額を記入し、領収書を添付して支店長に提出します。
- 承認: 支店長は依頼内容を確認し、正当と判断した場合に承認します。
- 払い出し: 承認された依頼書に基づき、現金出納係が小口現金を払い出し、受領者は受領印を押します。
- 保管と記帳: 現金出納係は、払い出した金額を小口現金出納簿に記録(入力)し、現金残高を更新します。
- 精算と補充: 定期的に、現金出納係は手元の現金と帳簿を照合し、本社に精算を依頼します。本社経理は、申請がある都度、または定期的に現金を補充します。
4. 禁止事項と注意事項
- 私的な利用の厳禁: 小口現金の私的な利用は固く禁じます。
- 預かり金の厳禁: 従業員の個人的な現金を小口現金に混ぜて管理することはできません。
- 領収書と証明: どのような支払いに対しても、必ず領収書を受け取り、保管してください。領収書がない場合は、支払い内容を証明できる書類(例:支店長の承認を受けた明細書など)を添付します。
- 残高確認: 現金出納係は、定期的に現金残高と帳簿残高が一致するかを確認し、支店長に報告します。
- 報告義務: 紛失や盗難など、不測の事態が発生した場合は、速やかに支店長と本社経理に報告してください。
このマニュアルは、安全かつ透明な小口現金管理を確立するためのものです。不明な点があれば、現金出納係、支店長、または本社経理部門に問い合わせてください。
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