Last Updated on 2025年8月5日 by 勝
当社では、社内文書が無秩序に増えて、それぞれの担当者がそれぞれのやり方で管理している状態です。組織だった文書管理システムを導入したいのですが、どのようなやり方が考えられでしょうか?
いろいろな文書管理システム
社内文書が無秩序に増えてしまうと、業務効率の低下や情報の属人化を招きかねませんね。会社で組織的な文書管理システムを導入する際には、以下の3つの方法が考えられます。
既存のクラウドストレージを活用する
すでにGoogle WorkspaceやMicrosoft 365を導入している場合、それらのストレージサービス(Google ドライブ、SharePoint/OneDrive)の機能を活用する方法があります。
- メリット:
- 追加のコストを抑えられる。
- 社員がすでに使い慣れているツールなので、導入障壁が低い。
- 共同編集やアクセス権限設定、検索機能など、基本的な文書管理機能が備わっている。
- デメリット:
- 高度なワークフロー管理や文書のライフサイクル管理は難しい場合がある。
- 大規模な文書を扱う場合、ファイル構造のルールを厳格に定める必要がある。
導入のポイント:
まず、全社統一のフォルダ構成ルールを策定することから始めましょう。「部署名 > プロジェクト名 > 文書種別」といった階層を定義し、全社員に周知徹底します。また、誰がどのフォルダにアクセスできるか、権限設定を明確にすることも重要です。
文書管理に特化したシステムを導入する
「Aipo」や「Knowledge Suite」、「Confluence」などの、文書管理や情報共有に特化したシステムを導入する方法があります。
- メリット:
- テンプレート機能やワークフロー、バージョン管理など、文書管理に最適な機能が豊富に揃っている。
- 検索機能が強力で、必要な文書を素早く見つけられる。
- 文書の改訂履歴が残り、コンプライアンス強化にもつながる。
- デメリット:
- システムの導入費用や月額費用が発生する。
- 社員が新しい使い方を覚えるためのトレーニングが必要になる場合がある。
導入のポイント:
いくつかのシステムを比較検討し、自社の業務フローに合った機能(例:承認フロー、タスク管理連携など)を持つサービスを選びましょう。多くのサービスで無料トライアル期間が設けられているので、実際に試してみるのがおすすめです。
社内wikiツールを導入する
「Qiita Team」や「esa」などの、知識共有に特化したwikiツールを導入する方法があります。
- メリット:
- マニュアルや議事録、ノウハウといったナレッジ共有に非常に向いている。
- Markdown記法など、シンプルで書きやすいエディタが特徴。
- 検索性が高く、タグ付けやカテゴリ分けで情報を整理しやすい。
- デメリット:
- ExcelやWordファイルといった既存のファイル形式の管理には向いていない場合がある。
- 機密性の高い正式な契約書などの管理には不向き。
導入のポイント:
まずは部署ごとの業務マニュアルやFAQ、議事録など、ナレッジ系の文書から試験的に導入してみるのが良いでしょう。社員が気軽に情報を投稿できる文化が醸成されれば、組織全体の生産性向上につながります。
導入成功のための共通のステップ
どの方法を選ぶにしても、以下のステップを踏むことが成功への鍵となります。
- 現状分析と要件定義:まず、どんな文書を、誰が、どのように管理しているかを洗い出しましょう。そして、新しいシステムに何を求めるか(例:検索性を高めたい、承認フローを自動化したい)を明確にします。
- ルールとガイドラインの策定:導入するシステムに合わせて、フォルダの命名規則、文書の作成・更新・削除ルールなどを全社的に定めます。このルールが徹底されなければ、再び無秩序な状態に戻ってしまう可能性があります。
- スモールスタートと段階的導入:いきなり全社的に導入するのではなく、特定の部署やプロジェクトで試験的に運用を開始し、課題を洗い出すのが有効です。
- 教育とサポート体制の構築:新しいシステムの使い方に関するマニュアルを作成したり、質問を受け付ける窓口を設けたりするなど、社員がスムーズに移行できるようサポートする体制を整えましょう。
まず、社内でどのような文書を主に扱っているか、そして新しいシステムに最も求める機能は何かを整理してみると、最適な選択肢が見えてくるかもしれませんね。