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会社の運営

社員が作ったプログラムの著作権は誰のものか?

Last Updated on 2025年8月18日 by

会社のもの

社員が業務中に作成したプログラムの著作権は、原則として会社に帰属します。これは、著作権法における「職務著作」という制度によるもので、会社の指示で従業員が職務上作成したプログラムの場合、特別な定めがない限り、著作者は会社です。

「特別な定め」というのは、就業規則や雇用契約書などで、著作物に関する権利は作成した当該従業員に帰属する旨を定めている場合です。めったにありません。

退職したらどうなるか

退職後も、会社に著作権があるので、作った当人であっても、ソースコードをそのままコピーしたり、構造や記述をそのまま流用した場合は著作権侵害になり得ます。

とは言っても、次の会社でもプログラム作成の業務に携われば、前職で経験したプログラム経験を役立てることはあるでしょう。

ここで注意しなければならない点を解説します。

アイデアやノウハウの扱い

著作権は、ソースコードや具体的な文章・画面デザインなどの表現を保護します。

アイデア・アルゴリズム・業務上の知識そのものは著作権の対象外です。

したがって、他社に移ってプログラムを書くときに、同じような発想で書いたとしても、別のコードでゼロから書き直すのであれば、著作権侵害にはあたらないとされています。

コードのコピーはだめです。また、コピーしていなくても同一のものに見えるくらい類似していると疑いを持たれがちなので、注意が必要です。

他に注意すべき点

秘密保持義務と競業避止義務に注意が必要です。

秘密保持義務(守秘義務)

会社の業務上知り得た顧客情報や営業ノウハウを新しい会社で使うと、著作権ではなく「不正競争防止法」「秘密保持契約違反」などの問題になることがあります。

競業避止義務

就業規則や雇用契約で、退職後一定期間は同業で同じような業務をしないといった条項がある場合は、別途注意が必要です。


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