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中小企業の定義

Last Updated on 2021年7月27日 by

中小企業基本法による定義

中小企業は大企業に比べて優遇措置や補助金の支給などで有利に取り扱われますが、優遇措置等を受けるには法律的に中小企業かどうかきちんと確認する必要があります。

中小企業の定義は、中小企業基本法に定められています。

業種 資本金の額または出資の総額 常時雇用する労働者数
①小売業 5000万円以下または50人以下
②サービス業5000万円以下または100人以下
③卸売業1億円以下または100人以下
④上記以外3億円以下または300人以下

「または」ですから、資本金と従業員数のどちらか一方だけで該当します。

上記の分類は、労働関係法でも使われています。

小売業も卸売業も両方営んでいるなど、判断が難しい場合は、行政窓口(例えば雇用助成金であればハローワークなど)に問い合わせした方が無難です。

支店などの事業場の従業員数ではなく企業全体の従業員数で判断します。個人事業や社会福祉法人などのように資本金がない場合は、労働者数だけで判断します。

大企業である親会社から一定の割合で出資を受けているなど大企業の支配下にある会社、いわゆる「みなし大企業」は、中小企業基本法上では中小企業に該当します。ただし、別の法令等で、補助金等について「みなし大企業」から除外している場合があります。上記の表に該当するとしても、それぞれ確認が必要です。

その他の法律による定義

会社法での定義

会社法では、大会社を「資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社」と定めています。つまり、「資本金5億円未満かつ負債総額200億円未満」であれば、会社法の上では中小企業となります。ただし、会社法には中小企業という文言があるわけではありません。

法人税法での定義

法人税法では、中小企業ではなく、中小法人等といいます。資本金が1億円以下であれば中小法人等です。ただし、他の大きな法人に支配されている場合は別です。また、資本又は出資を有しない法人については、常時使用する従業員の数が1,000人以下の場合に中小法人等に該当します。

なお、租税特別措置法には、中小企業者という表現があり、法人税法上の中小法人等とほとんど同じですが、親会社が大規模法人である場合に取扱いが異なってきます。

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