Last Updated on 2025年7月21日 by 勝
所定休日って何?
働く皆さんにとって、お休みの日、つまり「休日」はとても大切ですよね。この「休日」にも、実は法律で定められた最低限のルールと、会社が独自に決めるルールがあります。
今回は、会社が独自に定める「所定休日(しょていきゅうじつ)」について、その背景にある法律のルールも合わせて解説していきます。
前提として「法定休日」を知っておこう
「所定休日」を理解する上で、まず知っておくべきは「法定休日(ほうていきゅうじつ)」です。
これは、労働基準法という法律で、会社が労働者に必ず与えなければならないと定められている「最低限の休日」のことです。
原則として、1週間に1日以上
または、4週間を通じて4日以上、と決まっています。
どの会社も、原則として労働者にこの日数の休日を与えなければなりません。これが、労働基準法の基本的な休日に関するルールです。
【ポイント!】 法定休日を特定の日(例:毎週日曜日)と定めている会社もあれば、特に特定していない会社もあります。就業規則で明確にするのが一般的です。
会社が自由に決める「所定休日」
さて、いよいよ「所定休日」です。 会社は、この「法定休日」に加えて、独自に「うちの会社では、この日もお休みにしますよ」と休日を決めることができます。
例えば、多くの会社が、
・毎週土曜日と日曜日
・国民の祝日
・年末年始休暇
・夏季休暇
などを「所定休日」として定めているでしょう。
この会社が独自に定めた休日が「所定休日」なのです。
【ポイント!】 所定休日は、例えば、「休日は土曜日、日曜日、国民の祝日、年末年始(12月29日~1月3日)とする」といった形で就業規則や労働条件通知書に明記されています。
「所定休日」と「休日出勤」の関係
この「所定休日」に働く場合が、「休日出勤」になるわけですが、ここでも休日の種類によって割増賃金のルールが変わる、ということを知っておく必要があります。
法定休日の労働(法定休日出勤)
会社が「法定休日」と定めている日に、労働者が出勤して働いた場合です。
この場合、会社は通常の賃金に35%以上の割増し(1.35倍以上)をして賃金を支払う義務があります。
所定休日の労働(法定外休日出勤)
会社が「所定休日」と定めているけれど、「法定休日」ではない日に、労働者が出勤して働いた場合です。
例:土曜日と日曜日が休日の会社で、日曜日が法定休日、土曜日が所定休日の場合。土曜日に出勤して働いた場合がこれにあたります。
この場合、通常の賃金に加えて、割増しをする必要はありません(労働基準法上の休日労働の割増賃金は発生しない)。もちろん、本来休む日に働いたのですから、割増をしていない通常の追加賃金を支払う必要があります。
さらに、所定労働をした結果、「週の法定労働時間(40時間)」を超過することになれば、その超えた時間については時間外労働として25%以上の割増賃金を支払う義務が発生します。
例:平日40時間働いた人が、所定休日である土曜日に8時間働いた場合、その8時間分は週40時間を超えるため、時間外労働(1.25倍)の対象となります。
このように、「所定休日」は、会社の運用上の休日を指し、その日に働いた場合に法定休日出勤になるか、それとも時間外労働の扱いになるかは、その日が「法定休日」に当たるかどうかで判断が異なります。
なぜ「所定休日」が重要なのか?
・労働者の生活計画:労働者がプライベートの計画を立てる上で、いつが休みなのかを明確にするために不可欠です。
・労働時間管理の基準:会社の労働時間管理において、年間休日数や労働時間の計算の基礎となります。
・賃金計算の基準:休日出勤の際の割増賃金が適用されるかどうかの重要な判断基準となります。
まとめ
「所定休日」とは、法定休日という法律の最低限のルールに加えて、会社が就業規則などで独自に定めた「お休みの日」のことです。
この所定休日がいつなのか、そしてその日に働いた場合にどのような賃金が支払われるのかは、会社の就業規則に具体的に記載されています。ご自身の会社のルールを確認することで、安心して働くことができますよ。
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