Last Updated on 2023年10月11日 by 勝
法定休日とは
労働基準法では、休日は週に1日、または4週に4回以上与えなければならないと定めています。
(休日)
労働基準法第35条 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
2 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。
これを、労働基準法に定めがある休日、という意味で「法定休日」といいます。
なお、法定休日は暦日でとらせなければなりません。暦日というのは午前0時から午後12時までの24時間です。1日のうちの一部だけを休日にすることはできません。
週休2日制を採用する企業では、土日を法定休日と思っている人が多いのですが、あくまでも法定されているのは、週に1日だけです。他の休日は所定休日といいます。
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労働基準法が週に1回しか休日を強制していないのになぜ週休2日の会社が多いかと言えば、週の労働時間が40時間を超えられないという労働基準法の規定が影響しています。
週1回の休みでは、8時間×6=48時間となり、法定休日には違反しないものの法定労働時間に違反してしまうからです。
なお、1日の労働時間を短縮して週40時間以内に抑えれば、休日を週1回にすることが可能です。
法定休日の割増賃金
週休2日制が適用される労働者にとっては、土曜も日曜も「働かなくてよい日」としては同じですが、もし休日出勤した場合には、どちらを出勤するかによって割増賃金の扱いが違ってきます。
法定休日に労働者を働かせた場合は、使用者は、割増賃金を支払わなければなりません。割増率は3割5分以上です。
所定休日であれば割増なしの通常賃金です。ただし、所定休日出勤の結果、労働時間が週40時間を超えれば、その超えた時間に対して通常の割増賃金を支払わなければなりません。
就業規則等で休日を指定する場合には、法定休日を明示する必要があります。
また、変形労働時間制の場合には、法定休日を4週に1回と明示しなければ不都合が生じます。
労働基準法には法定休日は特定しなければならないという規定がありません。そのため、就業規則に定めていない会社もあります。その場合、通達では「日曜日を起点として後に来る休日を法定休日とする」ことになっています。
就業規則の規定:休日|就業規則
連続勤務について
上記のように、労働基準法では、法定休日について「毎週少なくても1回の休日、あるいは4週間を通じて4日以上の休日を与える」と規定しています。
「毎週少なくても1回の休日」を採用すれば、最長で12連勤まで認められることになります。
1週間の起算日が日曜日であり日曜日を休日とした場合、最初の週は日曜日に休日を与えているので問題ありません。次の週は、日曜日から土曜日までの間に休日を与えればクリアするので、最初の月曜日から次の金曜日までの12日間連続の勤務が可能になるためです。
「4週間を通じて4日以上の休日」を採用すれば、もっと長い連続勤務が認められることになります。
ずっと連続して勤務させて、4週目の最後にまとめて4日の休日を与えることも可能なのです。
連勤の問題点
しかし、極端な連続勤務は、労働基準法の休日規定はクリアするものの、違う面で大きな問題があります。
従業員の健康に与える影響があり、労働安全衛生法の「安全配慮義務」に抵触します。
従業員の士気の面でも悪影響があります。疲れがたまって従業員の集中力は落ち、不満が高まるに決まっています。家庭生活への大きな悪影響を及ぼすでしょう。
連続勤務させれば週の法定労働時間40時間を超える可能性が高まります。週40時間を超えた分は超過勤務です。結果、残業代の支払がふくらみます。
また、36協定で定めた労働時間を上回る可能性が高まります。36協定で定めた労働時間を上回ると、残業代を支払っていたとしても、労働基準法違反になります。
上記のような問題点がるので、過度な連続勤務を労働者に強いることがないよう、適正な休日配置を心がけていくことが求められます。