常務会について

Last Updated on 2025年9月9日 by

常務会とは

会社の執行機関は取締役会ですが、会社の重要案件は日々発生するもので、月一回、または3ヶ月に1回定期的に開催される取締役会を待っていると機動性に欠ける点がでてきます。また、取締役の多い会社では、会議が形式的になりがちで実質的な議論の場になりにくいといわれます。

そこで、取締役会より機動的に開催し、会社の重要事項について検討を深めるために、社長を含む主要取締役で構成する会議体を設置することがあります。

常務会は、法定の機関ではないので、構成メンバーも人数も名称も、会社が自由に決めることができます。ここでは「常務会」としましたが、名称は、経営会議、経営委員会など、会社によって異なります。

経営会議・常務会の設置目的

  • 意思決定の迅速化
    取締役会が法的な決議機関であるのに対し、経営会議や常務会は実務に即した経営課題を協議し、意思統一や方針決定をスピーディに行うために設けられます。
  • 経営戦略・重要案件の審議
    会社の中期計画、新規事業、予算編成、人事、投資案件など、日常業務を超えるテーマを話し合います。
  • 情報共有と部門間調整
    各部門の責任者が集まり、会社全体の視点で意思決定を行う場となります。

意思決定の迅速化が主な設置目的なので、幹部層の人数が少なく、社長と数名の管理職で十分に意思疎通できる中小企業等では、設置する意義は薄いでしょう。

メンバー構成

会社によって異なりますが、典型的には以下のような顔ぶれです。

  • 代表取締役(社長)
  • 取締役(特に常務・専務)

一般的には、上級の経営幹部による会議です。

この他に、経営者一人の判断に頼らず、複数人で検討することで意思決定の質を高める目的、取締役意外の幹部層に責任感を持たせ、後継者育成にもつなげる、等の目的で経営会議を設置する場合もあります。その場合には、部門長クラスまでメンバーを拡大するのが一般的です。

常務会の運営

常務会が設置されると、会社経営上の重要事項はここでの審議を経て、取締役会に付議すべき事項を取締役会に上げることになります。このため、運用の仕方によっては、意思決定が遅くなることもあります。

常務会は、決定機関として機能する点では取締役会に近い存在です。開催日、招集方法、議事録等について取締役会に準じて規程を定めて運営する必要があります。

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