Last Updated on 2021年7月28日 by 勝
常務会とは
常務会は、法定の機関ではないので、構成メンバーも人数も名称も、会社が自由に決めることができます。
ここでは「常務会」としましたが、名称は、経営会議、経営委員会など、会社によって異なります。
常務会が必要なわけ
会社の執行機関は取締役会ですが、会社の重要案件は日々発生するもので、月一回、または3ヶ月に1回定期的に開催される取締役会を待っていると機動性に欠ける点がでてきます。また、取締役の多い会社では、会議が形式的になりがちで実質的な議論の場になりにくいといわれます。
さらに、取締役は、本社だけでなく、支店長などになって、地方に駐在している場合もあります。地方勤務の取締役をひんぱんに本社に呼ぶのは支店の運営上問題が出てくるかもしれません。
そこで、取締役会より機動的に開催し、会社の重要事項について検討を深めるために、社長を含む主要取締役で構成する会議体を設置することがあります。
常務会の運営
常務会が設置されると、通常は、会社経営上の重要事項は、取締役会に付議する事項を含めてここで審議することになります。
このため、常務会が設置されると、取締役会は多くの決定事項を常務会に委ね、法律上取締役会が関与すべき重要な事項を中心に審議・決議し、代表取締役や他の取締役の監督など、本来の役割に権能を発揮することが期待できるようになります。
中規模以下の会社では、常務会はトップマネジメント候補の訓練の場でもあります。選抜された役員は、この会議で社長を補佐しつつ、将来の社長としての技量を磨いていくのです。
常務会は、会社の任意の機関ですから、法定機関である取締役会とは性格が違いますが、意思決定機関として機能する点では取締役会に近い存在です。開催日、招集方法、議事録等について取締役会に準じて規程を定めて運営する必要があります。