Last Updated on 2024年9月10日 by 勝
産業医とは
産業医とは、事業場における労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導・助言を行う医師を言います。労働安全衛生法により、常時使用する労働者数が50人以上の事業場は産業医の選任が義務付けられています。
産業医の職務は労働安全衛生規則第14条第1項に規定されています。また、産業医の職務を遂行するために各種の権限が与えられています。
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選任すべき産業医の数
産業医は、労働者数が50人以上となれば1人を選任します。ただし、次に該当する事業場にあっては、その産業医は専属の者とする必要があります。
1 常時1,000人以上の労働者を使用する事業場
2 一定の有害な業務に常時500人以上の労働者を従事させる事業場
また、常時3,000人を超える労働者を使用する事業場では、2人以上の産業医を選任することとなっています。
選任の手続
産業医を選任するべき事業場になったときから14日以内に選任しなければなりません。
選任したら、所轄の労働基準監督署長に遅延なく選任報告書を提出しなければなりません。解任も同様です。産業医が離任または解任したときは、労働基準監督署長に届け出るとともに、その理由を衛生委員会に報告しなければなりません。
産業医の選任報告は、令和7年1月1日より電子申請による提出が義務づけられています。
関連記事:労働者死傷病報告の電子申請について
産業医に関する事項を従業員に周知する
産業医を選任した事業者は産業医の業務に関する事項を従業員に周知するしなければなりません。労働者が安心して相談できるようにするための措置です。(安衛法第101条第1項)
周知する方法
1.各作業場の見やすい場所に掲示または備え付ける
2.書面を従業員に交付する
3.磁気テープ、磁気デスクその他これらに準ずるものに記録し、かつ各作業場の従業は記録の内容を常時確認できる機器を設置する
周知すべきこと
1.事業場における産業医の業務の具体的な内容
2.産業医に対する健康相談の申出の方法
3.産業医による労働者の心身の状態に関する情報等の取扱い方法
4.労働者の心身の状態に関する情報の取扱い
産業医が不在になったら
衛生管理者の設置義務は労働基準法に定められた義務なので、選任した衛生管理者が退職等でいなくなったときは、衛生管理者不在の状態で放置することはできません。
やむを得ない事由で産業医が不在になり、後任をすぐに見つけることができない場合には、労働基準監督署を通じて都道府県労働局長の特例許可を申請しなけれなりません。