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労働者名簿の記載事項と管理上の注意点

Last Updated on 2023年9月27日 by

労働者名簿とは

労働者名簿とは、労働者の氏名や採用した日などを記載した書類で、労働基準法で作成が義務付けられています。

労働基準法第107条
使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。
2 前項の規定により記入すべき事項に変更があつた場合においては、遅滞なく訂正しなければならない。

記載すべき事項

記載しなければならない事項が決まっています。

□ 氏名
□ 生年月日
□ 性別
□ 住所
□ 業務の種類
業務の種類とは、経理、営業などのことです。だいたいの業務内容が分かるように書きましょう。
□ 履歴
履歴とは異動や昇進などの社内履歴を記載します。入社前の履歴についても、最終学歴、直前の仕事は記載しておきましょう。
□ 雇用年月日
□ 退職年月日と事由
自己都合で退職したときは「自己都合退職」だけでよいのですが、従業員を解雇した場合は、なぜ解雇したのか事由を記載する必要があります。
□ 死亡年月日と原因
私傷病であれば「病死」等でよいのですが、労災にあたる場合はその原因を記載します

以上の9項目です。

必要な記載事項を全て書かなければなりません。

変更があったときの訂正は「遅延なく」となっています。つまり、変更の度に訂正しなければならないので注意しましょう。

住所変更、配属変更などの記載を忘れがちなので注意しなければなりません。

労働者名簿の様式

厚生労働省のページ「主要様式ダウンロードコーナー」に掲載されています。ただし、必ずしもこれを用いなければならないわけではなく、記入項目を満たしていれば、基本的にどのような形式でも構いません。

作成した労働者名簿をパソコン等に保管するときはすぐに印刷できる環境にあることが条件です。

原則として全員について作成

労働者名簿を作成する必要がある従業員は、パートやアルバイトを含み原則として全従業員です。

例外として、日々雇用契約を結ぶ日雇労働者だけは作成義務がありません。

出向者の場合は、移籍して出向している場合には出向先に作成義務があります。在籍の形で出向している場合は出向元と出向先の両方で名簿の作成しなければなりません。

派遣社員は賃金を支払っている派遣元に作成義務があるので、派遣先の会社においては作成する必要はありません。

個人事業、法人事業、従業員数などにかかわらず全ての使用者に作成義務があります。

保存期間

労働者名簿の保存期間は5年(当分の間は3年)です。作成した日からではなく、従業員の退職や解雇、または死亡日から起算します。


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