カテゴリー: 就業規則

  • 就業規則の遵守|就業規則

    就業規則を遵守すべきことを定める

    規定例

    (就業規則の遵守)
    第3条  就業規則は従業員の就業に関する基本的な事項を定めたものであり、会社はこの規則に定める労働条件を遵守し、従業員はこの規則に定める義務を遵守しなければならない。

    ポイント

    就業規則に記載された内容を、労使ともに守ることは当然のことですが、重要なことなのであえて強調するために就業規則の遵守についてこのような規定を定めるのが一般的です。

    労働基準法第2条に、「労働者及び使用者は、就業規則を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない」という規定があります。これに基づいて、会社のみならず従業員に遵守義務を課すことができます。

    具体的な遵守事項については「遵守事項」のところで定めます。

    関連記事:遵守事項|就業規則

    モデル就業規則

    厚生労働省モデル就業規則は規則の遵守の部分を次のように示しています。

    (規則の遵守)
    第3条  会社は、この規則に定める労働条件により、労働者に就業させる義務を負う。また、労働者は、この規則を遵守しなければならない。


    会社事務入門就業規則逐条解説>このページ

  • 適用範囲|就業規則

    規定例

    (適用範囲)
    第2条  この規則は、当社と期間の定めのない雇用契約によって雇用され、フルタイムで勤務する従業員(以下「正社員」という)に適用する。

    2 契約社員とは、正社員とは異なる労働条件が適用される雇用契約によって雇用される従業員をいう。

    3 パート社員とは、就業する労働時間が当社の所定労働時間より短い雇用契約によって雇用される従業員をいう。

    4 アルバイト社員とは当社と1ヶ月以内の期間の定めのある雇用契約によって雇用される従業員をいう。

    5 契約社員、契約社員、パート社員、アルバイト社員の就業規則は別に定める。

    ポイント

    第1項で適用範囲を示しました。

    次いで、第2項以下で、正社員以外の従業員の定義を記載しました。各従業員の名称は仮に設定したものです。それぞれの会社で適切な名称を設定します。

    第2項は契約社員の定義です。

    第3項はパート社員の定義です。

    第4項はアルバイト社員の定義です。

    雇用形態別の就業規則

    この就業規則サンプルは、第5項で、雇用形態が違う従業員ごとに就業規則を作ることを規定しています。別の就業規則を作成するときは、このように就業規則本体にその旨を明記しなければなりません。

    異なる勤務態様の労働者が在籍している場合には、勤務形態別に就業規則を作成することをお勧めします。

    また、勤務形態別に就業規則を作成しても、記載を短くするために、一定の部分について、「正社員就業規則を準用する」旨の記載をすることがありますが、読む方は両方の就業規則を参照しなければならなくなります。作る方は多少手間がかかりますが、別の規則を参照する必要がない詳細な就業規則の作成をお勧めします。

    なお、勤務形態の違いだけでなく、本社に適用する就業規則と工場に適用する就業規則を別々に作成するなど、事業場別に就業規則を作成することも可能です。

    一つの就業規則で運営する

    雇用形態の違いを無視して、単に「従業員に適用する」と定めると、その就業規則はアルバイトやパートも含めて全ての従業員に適用されると判断されることがあります。

    一つの就業規則を勤務態が異なるすべての従業員に適用する場合は、条文のなかで適用対象を特定しなければなりません

    特に重要な部分、例えば労働時間等については、就業規則内にパートタイムや契約社員に適用させる規定を追加する必要があります。

    モデル就業規則

    厚生労働省モデル就業規則は適用範囲の部分を次のように示しています。

    (適用範囲)
    第2条  この規則は、    株式会社の労働者に適用する。
    2 パートタイム労働者の就業に関する事項については、別に定めるところによる。
    3 前項については、別に定める規則に定めのない事項は、この規則を適用する。


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  • 裁判員等のための休暇|就業規則

    裁判員等休暇について定める

    規定例

    (裁判員等のための休暇)
    第30条 従業員が裁判員若しくは補充裁判員、又は裁判員候補者となったときには、任務のために必要な日数の休暇を与える。

    2 裁判員等休暇は無給とする。

    ポイント

    臨時の公職につけば日当が支給されるのが一般的なので会社としては無給扱いが多いです。

    モデル就業規則

    厚生労働省モデル就業規則は裁判員等のための休暇の部分を次のように示しています。

    (裁判員等のための休暇) 
    第30条  労働者が裁判員若しくは補充裁判員となった場合又は裁判員候補者となった場合には、次のとおり休暇を与える。
    ① 裁判員又は補充裁判員となった場合        必要な日数
    ② 裁判員候補者となった場合            必要な時間

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  • 慶弔休暇|就業規則

    慶弔休暇について定める

    規定例

    (慶弔休暇)
    第28条 従業員が申請した場合は、次のとおり慶弔休暇を与える。
    ① 本人が結婚したとき  日
    ② 子、又は兄弟姉妹が結婚したとき  日
    ③ 妻が出産したとき  日
    ④ 配偶者、子又は父母が死亡したとき  日
    ⑤ 兄弟姉妹、祖父母、配偶者の父母又は兄弟姉妹が死亡したとき  日

    2 慶弔休暇は有給とする。

    3 慶弔休暇を取得した日に会社の休日が含まれる場合は、当該休日は慶弔休暇に通算する。

    ポイント

    労働基準法には慶弔休暇についての定めはありません。よって慶弔休暇を認めるかどうか、認める場合の内容についてはそれぞれの会社が就業規則で定めます。

    2項は有給か無給かの規定です。はっきりしましょう。慶弔休暇に定められる範囲の休暇は、規定が無くても社会的慣習から休まざるを得ないことを考慮して、有給にすることが多いようです。

    3項は間に休みが入ることで長期間休むように見えて不公平感が生じないための規定です。仮に、間に会社の休日が2日入れば、5日が7日になってしまいます。気にしないのであれば定めません。

    また、何回にも分けて取得することを認めない場合は「日数を分割せずに連続して取得しなければならない」などと定めます。

    取得時期について行き違いが生じることもあります。結婚のときに取っていなかったとして何年もたってから申し出ることがあるかもしれません。認めたくない場合は、「結婚式または入籍日のうち早い方から起算して〇日以内に取得しなければならない」などと定めます。

    関連記事:従業員の冠婚葬祭

    モデル就業規則

    厚生労働省モデル就業規則は慶弔休暇の部分を次のように示しています。

    (慶弔休暇) 
    第28条  労働者が申請した場合は、次のとおり慶弔休暇を与える。
    ① 本人が結婚したとき  日 
    ② 妻が出産したとき  日
    ③ 配偶者、子又は父母が死亡したとき  日
    ④ 兄弟姉妹、祖父母、配偶者の父母又は兄弟姉妹が死亡したとき  日

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  • 産前産後休業|就業規則

    産前産後休業について定める

    規定例

    産前休業について規定します。

    (産前産後の休業)
    第24条 6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産予定の女性従業員は請求することにより産前休業をとることができる。

    産後休業について規定します。

    2 産後8週間を経過していない女性従業員に産後休業を取得させ就業を禁止する。

    3 前項の規定にかかわらず、産後6週間を経過した女性従業員から請求があった場合は、その者について医師が支障がないと認めた業務に就かせることがある。

    ポイント

    解説記事:従業員が産前産後休業を申し出たときの手続きと注意点

    モデル就業規則

    厚生労働省モデル就業規則は産前産後休業の部分を次のように示しています。

    (産前産後の休業) 
    第24条  6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産予定の女性労働者から請求があったときは、休業させる。
    2 産後8週間を経過していない女性労働者は、就業させない。
    3 前項の規定にかかわらず、産後6週間を経過した女性労働者から請求があった場合は、その者について医師が支障ないと認めた業務に就かせることがある。

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  • 表彰|就業規則

    表彰について定める

    規定例

    (表彰)
    第64条 従業員が次のいずれかに該当するときは、所属長の推薦に基づき賞罰委員会の審議を経て表彰する。
    ① 会社の業績に特に貢献したと認められるとき。
    ③ 10年にわたって無事故を達成したとき。
    ② 20年にわたって誠実に勤務したとき。
    ④ 会社及び従業員の名誉となる行いがあったとき。
    ⑤ 前各号に準ずる善行又は功労のあったとき。

    2 表彰は、賞状と副賞を授与し、原則として会社の創立記念日に行う。

    ポイント

    どのようなときに表彰するか具体的に定めます。さらに、表彰の時期、賞の内容を定めます。

    関連記事:従業員表彰制度

    モデル就業規則

    厚生労働省モデル就業規則は表彰の部分を次のように示しています。

    (表彰)
    第64条  会社は、労働者が次のいずれかに該当するときは、表彰することがある。
    ① 業務上有益な発明、考案を行い、会社の業績に貢献したとき。
    ② 永年にわたって誠実に勤務し、その成績が優秀で他の模範となるとき。
    ③ 永年にわたり無事故で継続勤務したとき。
    ④ 社会的功績があり、会社及び労働者の名誉となったとき。
    ⑤ 前各号に準ずる善行又は功労のあったとき。
    2 表彰は、原則として会社の創立記念日に行う。また、賞状のほか賞金を授与する。

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