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起訴休職について

Last Updated on 2020年10月4日 by

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起訴休職とは

起訴休職とは、休職制度における休職事由の一つで、従業員が犯罪の嫌疑を受けて起訴された場合に、従業員を休職させる制度です。

目的は、その事件を起こした従業員を引き続いて就労させた場合に、職場秩序が乱れたり、会社の社会的信用が害されて円滑な会社活動に支障が生じることを避けるためのものです。

また、刑事手続は、逮捕、勾留、起訴という一連の流れがありますが、一般的には、起訴休職は、従業員が起訴された場合に適用されます。

休職期間は、一般的には確定判決があるまでと規定することが多いですが、確定判決前でも、保釈された場合は労務提供が可能になり、また第一審が無罪であれば、検察が控訴したとしても休職要件が消滅したとして、復職させなければならないと考えられています。

起訴休職の有効性

会社が起訴休職について定めている場合でも、自動的に起訴休職を適用できないおそれがあるので注意が必要です。

刑事裁判上は、有罪確定までは、無罪と推定されます。したがって、本人が起訴休職を受け入れない場合は、起訴されたという事実だけでなく、会社の社会的信用の失墜や、職場秩序の支障の程度、本人の労務提供がどの程度できるか、などにより判断しなければなりません。

事件の内容程度にもよりますが、本人が無罪を主張し、また、保釈により会社への出勤が可能であるときは、会社が就業規則に基づいて休職を命じたとしても有効性に問題があると考えられます。

起訴休職の有効性をめぐる裁判もいくつかありますが、いろいろな要素を総合的に判断しているので、こうであれば有効性が認められるという決め手はありません。

懲戒処分との関係

起訴休職は、従業員の非違行為を対象とする休職命令なので、懲戒処分に類似しています。

本人の意思に反して長期間に及ぶ休職を命じた場合、その後に、解雇等の懲戒処分を決定すれば、二重処分ではないかという問題が生じる恐れがあります。

関連記事:懲戒処分における二重処分禁止の原則

起訴休職中の賃金

一般的に、就業規則において休職期間中の賃金は無給と定められています。

休職の発令が有効であれば、無給の扱いについて問題になることはないと考えられます。

起訴休職を規定すべきか

起訴休職を就業規則に規定しなければ、起訴を理由とする休職を命じることができません。

しかし、あえて休職を命じなくても、勾留されている期間は出勤できません。自然と欠勤ということになります。

未決のまま釈放されたときに、会社としての対応について結論がでていなければ、対応を決めるまでのあいだ自宅待機を命じることもできます。

関連記事:出勤停止処分をするときの注意点

起訴休職という規定があっても、出勤できる状態であるのに休職を命じることは、上述したように有効性に問題があります。

以上のような事情から、あえて、起訴休職を設けない就業規則も多くみられます。

なお、起訴休職規定の有無にかかわらず、会社は、懲戒処分の要件を満たせば、出勤停止処分や懲戒解雇などの懲戒処分を科すことができます。

関連記事:懲戒処分をする前に知っておくべきこと

就業規則

就業規則の規定例は次のようになります。

例1
従業員が刑事事件に関して起訴されたときは、原則として判決確定までの期間は休職を命じる。

例2
従業員が刑事事件に関して起訴され、勾留されるなどして勤務することができないと認められるとき、または、起訴により会社の正常な業務運営に支障をきたすおそれがあるときは休職を命じる。

規定する場合は、就業規則、休職規程に追加する必要があります。

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