Last Updated on 2025年7月25日 by 勝
誓約書のサンプル1
〇〇株式会社
代表取締役〇〇〇〇殿
私は、貴社を退職するにあたり、以下の事項を遵守することを誓約いたします。
記
1.私は、在籍中に従事した業務において知り得た貴社が秘密として管理している営業秘密について、貴社を退職した後においても、他の事業者その他の第三者のために開示、あるいは、自ら使用いたしません。
2.私は、在籍中に入手した貴社の営業秘密に関連するデータ・書類等は、退職時にすべて返還し一切保有しておりません。
3.私は、営業秘密が貴社に帰属することを確認し、貴社に対して営業秘密が私に帰属する旨の主張をいたしません。
4.私は、退職後1年間、貴社からの許諾がない限り、貴社で従事した〇〇の開発に係る職務を通じて得た経験や知見が貴社にとって重要な企業秘密ないしノウハウであることに鑑み、当該開発及びこれに類する開発に係る職務を、貴社の競合他社(競業する新会社を設立した場合にはこれを含む。以下、同じ。)において行いません。また、貴社で従事した〇〇に係る開発及びこれに類する開発に係る職務を、貴社の競合他社から契約の形態を問わず、受注ないし請け負うことはいたしません。
5.私は、貴社に在職中及び退職後1年間にわたり、私又は私の関係者を通じて、貴社の役員若しくは従業員に対し、退職の勧誘や引抜き行為等の働きかけをいたしません。
6.私は、本誓約書及び営業秘密に関する諸規定に違反して貴社に損害を与えた場合は、これにより貴社が被った一切の損害を遅滞なく賠償いたします。
令和〇年〇月〇日
現住所 〇〇市〇〇町〇丁目〇番地〇号
氏名 ㊞
誓約書のサンプル2
私は、貴社に在職中及び退職後において、以下の事項を遵守することを誓約いたします。
第1条(在職中の競業避止義務)
1.私は、貴社に在職中、貴社の事前の書面による承諾を得ることなく、貴社の事業と競合する事業を自ら営み、又は競合する事業を営む第三者の役員、従業員、顧問、請負人その他の従業者若しくはこれらに準ずる立場に就任しないことを誓約いたします。
2.私は、前項に定める他、在職中、貴社の事業に不利益を与える行為、貴社の利益を害する行為を行わないことを誓約いたします。
第2条(退職後の競業避止義務)
1.私は、貴社を退職した後も、貴社における職務経験及び貴社から取得した営業秘密、顧客情報その他の重要な情報を利用し、貴社の正当な利益を不当に害することがないよう、以下の競業避止義務を遵守することを誓約いたします。
(1)禁止期間:貴社退職後〇年間
(2)禁止地域:〇〇地域
(3)禁止される業務:
(4)禁止される行為:
ア.自ら(個人事業主として含む)前号に定める業務を営むこと。
イ.前号に定める業務を営む第三者(競合他社等)の役員、従業員、顧問、請負人その他の従業者若しくはこれらに準ずる立場に就任すること。
ウ.貴社の顧客(退職時及び退職前〇年間の顧客)に対し、直接的又は間接的に、貴社と同種又は類似の業務の取引を勧誘すること。
エ.貴社の従業員(退職時及び退職前〇年間の従業員)に対し、貴社を退職して自己又は第三者に就職するよう勧誘すること。
2.貴社は、第1項に定める競業避止義務の対価として、私に対し、〇〇(例:月額〇円の競業避止手当、退職金に〇〇円加算など具体的な代償措置を記載)を支給します。
第3条(損害賠償)
私は、本誓約書の各条項に違反した場合、貴社に生じた一切の損害を賠償する責任を負うことを誓約いたします。
第4条(裁判管轄)
本誓約に関する紛争については、〇〇地方裁判所を第一審の専属的合意管轄裁判所とすることに合意いたします。
上記の内容を理解し、遵守することを誓約いたします。
年 月 日
住所
氏名 印
〇〇株式会社 御中
記載上の注意点
期間、地域、業務の範囲は具体的に、かつ合理的な範囲で定めることが重要です。
競業避止義務については、憲法に定められた職業選択の自由があるので、誓約させたからといって同業他社への転職や開業を完全に阻止できるとは限りません。
営業秘密についても、退職した元従業員の行動を把握するのは難しいので、書いてもらえば安心というものではありません。この誓約書の目的は、書いてもらうことによる心理的な抑制効果を狙うものだと言えます。
退職後の義務を課す場合、代償措置は必須ではありませんが、裁判で有効性が認められる可能性が高まります。
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