紛争調整委員会によるあっせんの仕組み

Last Updated on 2022年1月21日 by

あっせんとは

紛争調整委員会による「あっせん」は「個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律」に基づく紛争解決援助制度の一つです。

あっせんとは、交渉や商売などで話がうまく進まないとき、あるいは直接の話し合いではうまく進まないと思われるときに、事情に詳しい人や双方から信頼されている人が間にはいって、両方の者がうまくゆくように取りはからうことですが、ここでは、個々の労働者と会社との間にトラブルが発生し、双方の直接交渉では話がまとまらないときに、労働局に設置されている紛争調整委員会のメンバーが間に入って解決案をさぐることを言います。

つまり、紛争調整委員会があっせんするということは、あっせん委員が間に入って話し合いをするということです。あっせん委員は双方の言い分を聞いて解決策を提示します。

あっせんを利用する方法

紛争調整委員会のあっせんを受けたいときは、都道府県労働局雇用環境・均等部(室)又は最寄りの総合労働相談コーナー(労働基準監督署内に設置されています)に、あっせん申請書を提出します。

不利益を受けている労働者が申請するのが一般的ですが、事業主の側から申請することもできます。

あっせんは非公開で行われるので当事者のプライバシーは保護されます。

手続きに面倒なことはないので本人があっせんに参加するのが一般的ですが、弁護士、特定社会保険労務士を代理人として依頼する事もできます。ただし、有料になるので事前相談の際に料金を確認してください。

あっせんの進み方

労働局は申請を受け付けると若干の調査をして、あっせんの必要を認めれば、紛争調整委員会にあっせんを委任する書類を回します。

紛争調整委員会の委員は、弁護士、大学教授、社会保険労務士などの労働問題の専門家がつとめています。

相手方から参加の意思表明があったときは、日程を決めてあっせんを行います。

指定の日時に紛争当事者双方が出頭します。この場合、直接顔を合わせて言い合うのではありません。あっせん委員が個別に話を聞いて解決案を提示します。

その解決案に対してどちらかが不満であれば、強制することはできないので解決できないままあっせんは終了します。

双方が合意すれば合意書を作成します。合意書には法的な拘束力があります。

紛争調整委員会のあっせんは、参加したくない相手方を強制的に出席させることはできません。その場合はあっせんを行うことができないので、申請した当事者はあっせん以外の方法である、労働審判や通常の裁判を検討することになります。

相手が合意しなければどうにもなりませんが、双方に早期に解決しようという気持ちがあれば裁判に比べ手続きが迅速かつ簡便に解決にいたることができます。

いずれも場合も利用料金はかかりません。

制度の対象となる紛争

紛争調整委員会の扱う紛争は次のものです。

□ 解雇、雇止め、労働条件の不利益変更などの労働条件に関する紛争
□ いじめ・嫌がらせなどの職場環境に関する紛争
□ 退職に伴う研修費用の返還、営業車など会社所有物の破損についての損害賠償をめぐる紛争
□ 会社分割による労働契約の承継、同業他社への就業禁止など労働契約に関する紛争

労働組合と事業主の間の紛争や労働者と労働者の間の紛争、裁判で係争中である、または確定判決が出ているなど、他の制度において取り扱われている紛争、労働組合と事業主との間で問題として取り上げられており、両者の間で自主的な解決を図るべく話し合いが進められている紛争などは対象になりません。

このあっせん制度について総合労働相談コーナーで詳しいことを聞くことができます。

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