Last Updated on 2025年9月1日 by 勝
女性が育児休業をとっているとき、同時に、その夫も育児休業をとることができるそうですが、例えば、出産後から子が1歳になるまでずっと夫婦で育児休業をとることはできますか?
夫婦が育児休業を同時に1年間継続してとることは可能です。以下に解説します。
夫婦共に育児休業を取得できる
原則として子が1歳になるまで
育児休業は、原則として子供が1歳の誕生日を迎える前日まで取得できます。これは男女ともに同じです。
パパ・ママ育休プラスで延長
両親がともに育児休業を取得する場合、育児休業を取得できる期間が子が1歳2か月に達するまでに延長されます。
これは、父母それぞれが最長1年間(母親の場合は産後休業期間を含む)休業できるというもので、夫婦で育児を分担し、交代で休業することで切れ目なく育児に専念できるようにする制度です。
出生時育児休業(産後パパ育休)
これは通常の育児休業とは別に、子の出生後8週間以内に最大4週間まで取得できる制度です。分割して2回取得することも可能です。女性の産後休業期間に相当するものです。
最長2歳まで延長
保育園に申し込みをしているが入所できないなどの特定の理由がある場合は、子が1歳6か月まで、さらに2歳まで育児休業を延長することができます。この場合も、夫婦ともに延長可能です。
夫婦共に育児休業給付金を受給できる
両親ともに育児休業を取得し、それぞれの受給要件を満たしていれば、夫婦それぞれが、同一の子について、育児休業給付金を受給することができます。片方が給付金を受給していることが、もう一方の給付金額に影響を与えることはありません。
現状の取得状況
厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると、育児休業の取得率は年々増加傾向にありますが、まだ男女間で大きな差があります。
女性の育児休業取得率は約8割ですが、男性の育児休業取得率は2023年度に30.1%となり、初めて3割を超えた状況です。
夫婦ともに育児休業を取得している家庭の正確なデータは公表されていませんが、男性の育児休業取得率が上がっていることから、夫婦ともに育児休業を取得する家庭は以前より増えていると考えられます。しかし、男性の取得期間が「1か月未満」が約6割を占めるなど、依然として短期間の取得が多いのが現状です。
制度としては夫婦同時に休業でき、給付金も受け取れる環境が整ってきていますが、実際の取得には、職場の雰囲気や経済的な理由などが影響しているとされています。
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