常時使用するとは

Last Updated on 2023年3月10日 by

常時の意味

常時というのは、「いつも」という意味ですが、分かりにくいので事例で説明します。

基本的には、ある日に出勤している従業員数ではなく、その事業場に雇われている従業員数で数えます。

従業員が辞めたり休んだりして一時的に労働者の数が10人未満になることがあっても、補充などですぐに元に戻るのであれば「常時10人以上」に含めます。

通常は10人未満の現場で、新規の採用者と退職予定者が同時に在籍しているために一時的に10人に達しているような場合は「常時10人以上」ではありません。

ただし、「一時的」という部分を労働基準監督官に厳し目に解釈されることもあります。雇用する労働者数が10人に達することがあったら「常時10人以上」だととらえる方が無難です。

事業場ごとに数を数えます。会社単位ではありません。同じ会社でも本社は届出が必要で、支店はでは届出が必要ないという状況もありえます。ただしその場合、届出義務がないだけで、支店に就業規則が適用されないということではありません。

労働者の範囲

常時使用する労働者の数は、アルバイト、パートタイマー等の臨時的労働者の数を含めて数えます。

派遣中の労働者は、派遣先の事業場及び派遣元の事業場の双方で、常時使用する労働者の数を算出します。

ただし、安全管理者と安全委員会については選任・設置義務が派遣先事業場のみに課せられているので、派遣元では参入しません。

就業規則の作成義務

労働基準法第89条に「常時10人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成し、行政官庁に届出なければならない」と規定されています。

これは届出義務です。10人未満の場合は作成してはならないとは解釈できません。実際、数人程度の事業でも就業規則を作成している例は多いです。

健康診断の対象者を判断するとき

健康診断を受けさせなければならないのは、労働安全衛生規則によると「常時使用する労働者」です。

平成19年10月1日基発第1001016号通達によると次のようになります。。

□ 期間の定めのない契約により使用されている
□ 1年以上使用されることが予定されている
□ 更新により1年以上使用されている、のいずれかに該当する者

上記のいずれかに該当することが必要です。なお、特定業務従事者は、「1年」が「6ヶ月」になります。

雇用期間を満たしたうえで、所定労働時間数が通常の労働者の4分の3以上である者が対象になります。

常時従事するとはどのくらい従事した場合か

特定化学物質では「常時従事する」という表現がでてきます。

独立行政法人労働健康安全機構茨城県産業保健総合支援センターのホームページから引用します。

特化則第39条では、「常時従事する労働者」に特殊健康診断を実施するとされていますが、どの程度が該当しますか?

特定化学物質障害予防規則第39条の「常時従事する労働者」とは、「継続して当該業務に従事する労働者」のほか、 「一定期間ごとに継続的に行われる業務であってもそれが定期的に反復される場合には該当する」とされています。 したがって、当該業務に従事する時間や頻度が少なくても、定期的に反復される作業であれば、特殊健診の対象になります。 なお、有機溶剤の特殊健診における「常時従事する労働者」も同様に考えることになります。
←引用ここまで

同じ用語でも使われる場所で定義が違うので注意する必要があります。

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