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安全衛生管理

給食従業員の検便

Last Updated on 2023年9月28日 by

労働安全衛生規則による検便

食堂等で給食業務に従事する人は検便検査を受けなければなりません。

労働安全衛生規則第47条 事業者は、事業に附属する食堂又は炊事場における給食の業務に従事する労働者に対し、その雇入れの際又は当該業務への配置替えの際、検便による健康診断を行なわなければならない。

このように労働安全衛生規則による検便は「雇入れの際」「配置替えの際」ですが、調理や食品製造の現場では月1回など定期的に検便を実施しているところが大半です。

その他に規制による定期的な検便

大量調理施設の従事者

食品製造施設などの大量調理施設に従事する人は、臨時職員も含め「大量調理施設衛生管理マニュアル」により、毎月1回(月2回が望ましい)検査する必要があります。

検便検査には、腸管出血性大腸菌の検査を含めること、また、必要に応じ10月から3月にはノロウイルスの検査を含めることが求められています。

大量調理施設とは、同一メニューを1回300食以上または1日750食以上を提供する調理施設です。

大規模でない場合はこれに該当しませんが、多くの調理施設等ではこのマニュアルに準じて定期的な検便を実施しています。

学校給食調理員

学校給食の調理に従事する人は、「学校給食衛生管理基準」により、赤痢菌、サルモネラ属菌、腸管出血性大腸菌血清型O157 その他必要な細菌等について、毎月2回以上実施する必要があります。

保育園等の調理員等

保育園、認定こども園などの保育士は、学校給食従事者と同様に、「学校給食衛生管理の基準」に準じて実施しているようです。

保育園などが調理を外部に委託している場合は、委託業者の定期的な検便検査が必要です。

老人施設等

老人ホーム、デイサービス、介護施設、障害者施設などの社会福祉施設の調理者は、厚生労働省の通知により、「大量調理施設衛生管理マニュアル」に沿って定期的な検査を実施しています。

参考
社会福祉施設における衛生管理について(平成9年3月31日付け社援施第65号厚生省大臣官房障害保健福祉部企画課長・社会・援護局施設人材課長・老人保健福祉局老人福祉計画課長・児童家庭局企画課長連名通知)
「大量調理施設衛生管理マニュアル」は、同一メニューを1回300食以上又は1日750食以上を提供する調理施設に適用するものであるが、社会福祉施設における食中毒を予防するため、適用されない社会福祉施設についても、可能な限り本マニュアルに基づく衛生管理に努められるよう管下の社会福祉施設に対して周知願いたい。

水道関係の事業の従事者

水道事業に関わる仕事、水道管理などに従事する人は定期的な検査が必要です。

バザーなどに参加する人

地元のお祭り、花火大会、学園祭、PTAの催しのバザー、模擬店などで飲食物を提供する場合の基準は自治体により異なります。1日限りの営業でも届出制あるいは許可制をとっているところが多いようです。検便の義務付けはないようですが、あるとすれば届・許可の際に指導されます。

小規模な飲食店など

食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)には、「保健所から検便を受けるべき旨の指示があったときには、食品取扱者に検便を受けさせる」という記載があります。

保健所から特段の指示がないときは強制ではないようです。しかし、食中毒騒ぎが起これば、店のイメージダウンは計り知れないので、上記の「大量調理施設衛生管理マニュアル」に準じて実施しているところが多くあります。

注意点

検便は法令や条例で明確に実施を指示されている場合と、ガイドラインや厚生労働省通達などで実施を求められている場合があります。また、明確が根拠が分かりにくい場合もありますが、人の口に入る物を扱う場合は慎重に対応する必要があります。分からない場合は保健所へ問い合わせてください。


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