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定年後の勤務延長制度について

Last Updated on 2023年3月2日 by

継続雇用制度の一つ

高年齢者雇用安定法は、65歳までの安定した雇用を確保するための措置を実施するように求めていますが、その措置の一つが「継続雇用制度」で、継続雇用制度には「再雇用制度」と「勤務延長制度」の2種類があります。

再雇用制度の方は、定年の日に退職することになりますが、翌日から定年までとは異なる労働条件で再び雇い入れる仕組みのことで、一般的に継続雇用制度と言えば再雇用制度の方を指します。

再雇用制度とは→定年後の再雇用制度について

勤務延長制度とは

勤務延長制度の方は、定年日以降もこれまでと同じ雇用形態で働き続ける制度のことです。雇用形態、役職、賃金、仕事内容などが大きく変わることなく、勤務期間だけを延長するのが一般的です。

勤務延長制度は、特殊性や特別な事情がある場合や、医師などの特に専門性が高い職種で実施されます。

希望者を募るのではなく、会社が特定の従業員に定年延長を提案し、当該の従業員がそれに合意した場合に適用することになります。

延長する期間を合意によって設定することになりますが、その期間は定年が先送りされる期間という意味なので、期間を設定したからといって有期雇用労働者になるわけではありません。したがって、定年後再雇用と違って、無期労働契約転換の例外にはなりません。5年を超えて反復更新した場合は、請求によって無期労働契約に転換できます。

国家公務員法では、勤務延長について「定年退職予定者の職務の特殊性又は職務遂行上の特別の事情からみて、当該職員の退職により公務の運営に著しい支障が生ずると認められる十分な理由があるときに、定年による退職の特例として、当該職員を定年退職日以降も当該日に従事している当該職務に従事させるため引き続いて勤務させる制度」とあり3年が上限となっています。

勤務延長制度は希望する人すべてを対象にする制度ではないので、この制度だけでは高年齢雇用安定法の求める雇用確保の措置を実施したことにはなりません。

規程のサンプル:定年後勤務延長規程

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