カテゴリー
労働時間

農業水産業に従事する労働者は労働基準法の労働時間が適用されない?

Last Updated on 2025年8月14日 by

労働時間規定の適用除外

労働基準法の労働時間に関する規定が適用されない事業と職種があります。

労働基準法第41条 この章、第6章及び第6章の2で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
一 別表第一第六号(林業を除く。)又は第七号に掲げる事業に従事する者
二 管理監督者
三 監視断続的労働

関連記事:管理監督者の労働時間

関連記事:監視断続的労働の扱い

別表第一第六号又は第七号とは

別表第一第六号又は第七号に掲げる事業とは、次のように、農林水産の事業です。

六 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業

七 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業

このような業種は自然現象によって労働時間が左右され、作業の性質から労働時間を制限することが難しいという理由です。忙しいときもあるが、天候や時期によって休めるときも多いので適用除外しても労働者にとって不利とはいえないということのようです。

なお、林業は適用除外ではありません。林業は自然的条件によって業務をする時間等が左右されるとはいえないからです。

適用除外された結果

1週40時間、1日8時間を超えられないという法定労働時間が適用されません。週1回の休日も適用されません。そのため、時間外労働割増賃金の規定も適用されません。6時間を超えれば45分などの休憩の規定も適用されません。

深夜労働の規定、年次有給休暇の規定は、労働時間、休憩、休日の規定に含まれないので適用されます。

見方を変えて整理すると

適用除外された労働者は、労働時間・休憩・休日の規定が適用除外になります。
つまり、

  • 1日8時間や週40時間の上限規制なし
  • 三六協定不要

となります。

なので、例えば法定労働時間を超えて働いたとしても法定時間外労働という概念がないので、「法定割増賃金」の支払義務も発生しません。

ただし、使用者が、就業規則や雇用契約で、例えば、一日の労働時間は8時間と定めている(所定労働時間を定めている)場合は、

  • 所定を超えた時間の割増賃金は、労働基準法上の義務ではありませんが、
  • 所定労働時間を超えた分の通常賃金は支払う必要があります。

この場合、超えた時間には割増支給すると雇用契約等で約束している場合は、その取り扱いに従う必要があります(労働基準法ではなく労働契約法、契約履行の問題です)。

なお、深夜労働(22時〜5時)については、農業・水産業でも適用除外ではないため、25%以上の割増賃金が必要です。

また、年少者(18歳未満)には、労働時間規制の適用があります。


会社事務入門労働時間の適正な管理>このページ