Last Updated on 2024年10月10日 by 勝
根拠法など
2023年4月から、従業員1,000人超の企業に対し、育児休業等の取得状況を年1回公表することが義務付けられました。
育児休業等の取得状況についての公表義務は、育児・介護休業法により実施されています。
育児・介護休業法
(育児休業の取得の状況の公表)
第二十二条の二 常時雇用する労働者の数が千人を超える事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、毎年少なくとも一回、その雇用する労働者の育児休業の取得の状況として厚生労働省令で定めるものを公表しなければならない。
2025(令和7)年4月1日より、育児休業取得状況の公表義務が300人超の企業に拡大します。
対象
公表義務があるのは、常時雇用する労働者数が1,000人超の企業です。
一時的に常時雇用する労働者が1,000人以下になることがあっても、常態として1,000人を超えて雇用している場合は育児休業の取得状況を公表しなければなりません。。
常時雇用する労働者が1,000人以下の企業が1,000人を超えた時点で育児休業の取得状況を公表する義務が課されます。
常時雇用する労働者とは
常時雇用する労働者とは、雇用契約の形態を問わず次のいずれかに該当する労働者です。
□ 期間の定めなく雇用されている者
□ 過去1年以上引き続き雇用されている者
□ 雇入れの時から1年以上の継続した雇用が見込まれる者
公表すべき内容
公表すべき内容は、公表を行う日の属する事業年度の直前の事業年度(公表前事業年度)における男性の「育児休業等の取得割合」または男性の「育児休業等と育児目的休暇の取得割合」のいずれかの割合です。
男性の育児休業等の取得割合
男性の育児休業等の取得割合は以下の計算式で求めます。
公表前事業年度において雇用する男性労働者が育児休業等を取得したものの数
÷
公表前事業年度において雇用する男性労働者の中で配偶者が出産したものの数
公表する割合は、小数点第1位以下を切り捨てたものとします。
育児休業等とは
育児休業等とは、育児休業(産後パパ育休を含む)だけでなく、法第23条第2項(3歳未満の子を育てる労働者について所定労働時間の短縮措置を講じない場合の代替措置義務)又は第24条第1項(小学校就学前の子を育てる労働者に関する努力義務)の規定に基づく措置として育児休業に関する制度に準ずる措置を講じた場合の、その措置に基づく休業を含みます。
複数の事業年度で取得した場合
事業年度をまたがって取得した場合は、休業を開始した日を含む事業年度の取得とし、分割して複数の事業年度において取得した場合は、最初の取得のみを計算の対象とします。
分割して取得した場合
育児休業を分割し2回取得したとしても、同一の子に対して取得したものであれば1人として数えます。
男性の育児休業等と育児目的休暇の取得割合
男性の育児休業等と育児目的休暇の取得割合は以下の計算式で求めます。
( 公表前事業年度において雇用する男性労働者が育児休業等を取得したものの数+小学校就学前の子を養育する男性労働者を雇用する事業主が講ずる育児を目的とした休暇制度を利用したものの数 )
÷
公表前事業年度において雇用する男性労働者の中で配偶者が出産したものの数
公表する割合は、小数点第1位以下を切り捨てたものとします。
育児を目的とした休暇制度とは
育児を目的とした休暇制度とは、育児を目的とするものであることが明示されている休暇制度を指し、配偶者出産休暇制度や育児参加奨励休暇制度などが該当します。
入園式・卒園式などの行事や、予防接種等の通院のために勤務時間中の外出を認める制度も含まれますが、育児休業等と子の看護休暇は除外されます。
育児休業と育児を目的とした休暇制度の両方を取得した場合も、同一の子に対して取得したものであれば1人として数えます。
公表前事業年度において配偶者が出産した男性労働者数が0人の場合は、割合を算出することができないため「-」と表記します。
公表の方法等
育児休業取得状況は年に1回、自社のホームページまたは厚生労働省運営のウェブサイト「両立支援のひろば」を利用して公表します。
事業年度の実績を、その次の事業年度の開始後おおむね3か月以内に公表しなければなりません。
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