Last Updated on 2025年9月7日 by 勝
従業員が死亡したときは、会社から厚生年金から給付される遺族厚生年金について説明しましょう。ご遺族の方は専門的な知識がないことが多いため、専門用語を避け、分かりやすい言葉で説明することが大切です。
ここでは、ご遺族の方に寄り添いながら、遺族厚生年金について理解してもらうための会話例と、後で読み返せる説明文書のサンプルをご提案します。
ご遺族への説明
まずはお悔やみを述べます。その上で、ご家族のための年金制度があることをお伝えします。
総務担当者: この度は誠にご愁傷様でございます。突然のことで、心よりお悔やみ申し上げます。大変な時にお時間をいただきありがとうございます。
ご遺族: いえ、とんでもないです。
総務担当者: 実は、〇〇さんがこれまでお勤めの中で加入されていた年金制度から、ご家族のために遺族厚生年金というものが支給されます。難しい話かもしれませんが、今後の生活を少しでも支えるための大切な年金ですので、簡単にご説明させていただけますでしょうか。
ご遺族: はい、お願いします。
総務担当者: 毎月お給料から厚生年金保険料が引かれていたのを覚えていらっしゃいますか?
ご遺族: はい…。
総務担当者: その厚生年金保険料は、〇〇さんが将来、老齢年金を受け取るためのものですが、もしものことがあった場合、ご遺族の方に遺族年金が支払われる仕組みになっています。
ご遺族: そうなんですね。
総務担当者: 「遺族年金には、国民年金から支払われる「遺族基礎年金」と、厚生年金から支払われる遺族厚生年金の2つがあります。〇〇さんの場合、会社にお勤めでしたので、条件を満たせば両方を受け取ることができます。〇〇さんの場合、お子様がお小さいので、両方受け取れるケースに当たります。
ご遺族: そうですか。
総務担当者: 正確な金額は、日本年金機構が計算するため、書類を提出してから年金事務所で教えてもらえます。この年金は、生活の支えとなる大切な収入源となりますので、ぜひ、早めに年金事務所に行って手続きを進めていただければと思います。手続きに必要な書類や、今後の流れについては、この説明文書にまとめておりますので、後ほどご確認ください。ご不明な点があれば、いつでも私にご連絡ください。
説明文書のサンプル
会話で大まかな内容を理解してもらった上で、後から内容を確認できる文書を渡すと親切です。専門用語はできる限り避け、簡潔にまとめましょう。
故 〇〇 様ご遺族向け 遺族厚生年金のご案内
遺族厚生年金とは
遺族厚生年金とは、故人様が会社にお勤めされていた期間に加入していた厚生年金保険から、ご遺族の生活を支えるために支給される年金です。
遺族厚生年金を受け取れる方
死亡した方に生計を維持されていた以下の遺族のうち、最も優先順位の高い方が受け取ることができます。
- 子のある配偶者
- 子(18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方。)
- 子のない配偶者
- 父母
- 孫(18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方。)
- 祖父母
簡単に説明すると上記のようになりますが、細かな要件があるので、年金事務所でご質問ください。
なお、子がいない妻については、次のようになります。
- 夫の死亡当時、妻が 30歳以上 → 60歳までの間、遺族厚生年金が支給され、その後は65歳以降に自分の老齢年金と調整。
- 妻が 30歳未満で子がいない場合 → 遺族厚生年金は「5年間のみ」支給。
年金額について
年金額は、故人様が会社にお勤めだった期間や、その期間の収入(厚生年金保険料の納付額)に基づいて計算されます。
具体的な金額は、日本年金機構が審査・決定します。
手続きについて
遺族厚生年金を受け取るためには、日本年金機構への手続きが必要です。直接の窓口は末尾に記載した〇〇年金事務所です。最初は書類をもらって説明を聞き、2回目で書類を提出するつもりでお考えください。
手続きの流れ
- 必要書類の準備
- 年金請求書
- 戸籍謄本
- 死亡診断書の写し など
- 年金事務所へ提出
- お近くの年金事務所にご自身で提出していただくことになります。
- 審査・決定
- 提出された書類をもとに、日本年金機構が受給資格や年金額を審査します。
- 年金証書の送付・年金支給
- 審査が通ると、ご自宅に年金証書が届き、年金の支給が開始されます。
ご相談窓口
手続きに関するご不明な点や、必要書類の詳細については、下記の窓口にご相談ください。
〇〇年金事務所
住所:
電話番号:
〇〇株式会社総務部 〇〇〇〇
電話番号: