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労働時間

割増賃金に代えて有休を選択する代替休暇制度

Last Updated on 2023年10月11日 by

代替休暇制度とは

代替休暇制度とは、割増賃金のうち、時間外労働が60時間を超えた分の割増賃金を「お金」ではなく「休み」として与えることができる制度です。

「60時間を超えた分」と書きましたが、正確には「60時間を超えた部分の割増賃金のうちの、割増率25%を超えた分」を休暇でとることができる制度です。

1ヶ月60時間を超える時間外労働に対する割増賃金率は50%以上となっています。

そこで、割増賃金のうち25%分は賃金で支給し、残りの25%分について、賃金か休暇を選ぶことができるようにしたのです。どちらにするかは、本人の意向が優先です。

代替休暇は、時間外労働が60時間を超えた月の末日から2ヶ月の間に与えなければなりません。

具体的な時間計算

繰り返しますが、代替休暇付与の対象となるのは、60時間を超える時間外労働に支払われる割増賃金50%のうち25%の部分です。

例えば、時間外労働が64時間だとすると、60時間を超える時間外労働は4時間であり、4時間の25%は1時間となので、月60時間を4時間超えたときに、1時間分の休暇がとれる計算になります。

この代替休暇が有給休暇1日分である8時間に達するには、4時間×8時間で、月32時間の時間外労働が必要という計算になります。

つまり、あわせて92時間の時間外労働をしないと1日分の有給休暇に達しないのです。

これは、過労死認定基準に達するレベルですから、代替休暇で有給休暇を取得するのは容易ではありません。

また、法令では、まとまった休息の機会を確保するべきという観点から、代替休暇の取得単位を1日または半日としています。

そこで、現実的な対応としては、時間単位での年次有給休暇の取得制度と組み合わせることになります。

代替休暇が少なくても、時間単位取得と合わせることで、法令が求めるまとまった休暇である、半日または1日単位の休暇にするわけです。

代替給制度は、このように、月60時間超の時間外労働が発生することが常態である職場に適用できる制度です。そもそも、長時間労働をしないのがあるべき姿ですから、時間外労働が60時間を超えることがなく、この制度を作る意味がない職場の方が望ましいと言えます。

労使協定

代替休暇制度を導入するには過半数組合、それがない場合は過半数代表者との間で労使協定を結ぶ必要があります。

労使協定で定める事項は以下の事項です。

①代替休暇の時間数の具体的な算定方法
②代替休暇の単位(1日、半日、1日または半日)

③代替休暇を与えることができる期間(法定時間外労働が1か月60時間を超えた月の末日の翌日から2か月以内)

④代替休暇の取得日の決定方法、割増賃金の支払日

この労使協定は、代替休暇の制度を設けることを可能にするものであって、個々の労働者に対して代替休暇の取得を義務づけるものではありません。制度があったうえで、代替休暇を取得するか否かは個々の労働者がその都度自由に決めることです。

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