代替休暇制度に関する労使協定のサンプルを示します。この協定はあくまで一例です。実際に導入する際は、自社の賃金制度等を正確に確認し、労働者側と十分に協議のうえ、協定内容を定める必要があります。
代替休暇に関する労使協定(サンプル)
(労働基準法第37条第3項に基づく協定)
〇〇株式会社(以下「会社」という)と、労働者の過半数を代表する者(以下「労働者代表」という)は、月60時間を超える時間外労働に係る割増賃金の支払いに代えて、有給の休暇(以下「代替休暇」という)を付与する制度について、次のとおり協定する。
第1条(目的)
この協定は、労働者の健康確保を図るため、1ヶ月の法定時間外労働が60時間を超えた労働者に対し、割増賃金の一部に代えて代替休暇を付与することに関し必要な事項を定めることを目的とする。
第2条(代替休暇の対象者)
代替休暇の対象となる労働者は、賃金計算期間の初日を起算日とする1ヶ月間において、法定時間外労働が60時間を超えた者とする。
第3条(代替休暇の単位)
代替休暇は、1日または半日(4時間)の単位で付与するものとする。
第4条(代替休暇の時間数の算定方法)
1ヶ月の法定時間外労働が60時間を超えた労働者に対して付与する代替休暇の時間数は、次の算定式により計算する。
代替休暇の時間数=(1ヶ月の法定時間外労働時間数−60時間)×換算率
- 換算率:換算率=(代替休暇を取得しなかった場合に支払うこととされている割増賃金率(50%))−(代替休暇を取得した場合に支払うこととされている割増賃金率(25%))=0.25
- 端数の処理: 代替休暇の時間数に1時間未満の端数が生じた場合は、1時間単位に切り上げて計算する。
第5条(代替休暇の取得)
- 代替休暇の付与は、労働者本人の意向に基づき行うものとする。
- 代替休暇の取得を希望する労働者は、所定の期日までに、会社に対して代替休暇取得の意向を申し出るものとする。
第6条(代替休暇を与える期間)
代替休暇は、対象となる法定時間外労働が発生した月の末日の翌日から起算して2ヶ月以内に与えるものとする。
第7条(割増賃金の支払いと休暇取得日の決定方法)
- 会社は、第4条により算定された代替休暇の時間数を所定の単位で取得しない部分について、通常の割増賃金率(50%)により算定した差額の割増賃金を、通常の賃金支払日に支払う。
- 代替休暇の取得日については、労働者からの申出に基づき、会社が業務の正常な運営を妨げない範囲で調整し、決定するものとする。
- 労働者が第6条に定める期間内に代替休暇の取得を完了しなかった場合、または取得の申出をしなかった場合は、会社は、未取得の時間数に対応する割増賃金を通常の割増賃金率(50%)により算定し、賃金支払日に支払う。
附則
- 本協定は、2025年10月1日から適用する。
- 本協定は、期間を定めず、改廃の必要が生じた場合は、会社と労働者代表が協議して定めるものとする。
2025年9月25日 | |
〇〇株式会社 | 労働者代表 |
代表取締役 氏名 | 署名または記名押印 |