いつでも緊急対応しなければならないのであれば、その待機時間は労働時間?

自宅待機は労働時間か

緊急呼び出しの可能性がある職種に従事している人が、夜間や休日に自宅にいる時間は、労働時間として時間外労働にカウントしなければならないのでしょうか。

結論から言うと、自宅などで待機している「オンコール(呼び出し待機)」の時間は、一般的には「労働時間」にはカウントされません。

ただし、その時間の過ごし方にどれくらい制限があるか(自由があるか)によって判断が変わります。正しく理解するためのポイントを整理しました。

1. 判断の基準は「会社の指揮命令下」にあるか

労働時間かどうかを決める最大のポイントは、その人が「会社の指揮命令下に置かれているか」です。

  • 労働時間とみなされないケース(休憩・休息): 携帯電話等で呼び出しがあることがある程度予見されているとしても、場所の指定がなく、自宅でテレビを見たり、食事をしたり、寝たりと、「自由に過ごして良い」状態であれば、労働時間にはあたりません。
  • 労働時間とみなされるケース: 「自由に過ごして良い」状態だとしても、一旦緊急連絡が入ったときに、「5分以内に返信し、15分以内に現場に到着せよ」といった厳しい制約がある場合は、労働時間(手待時間)と判断される可能性があります。

2. 労働時間にならない場合の「オンコール手当」

多くの企業では、この「拘束はされているけれど自由もある時間」に対して、時間外手当(残業代)の代わりに「オンコール手当(待機手当)」として一定額の支給を行っています。

3. 「実際に呼び出された時間」は別物!

ここが一番重要なポイントです。待機時間そのものは労働時間ではなくても、実際に電話がかかってきて対応したり、職場に駆けつけたりした時間は「労働時間」になります。

  • 電話対応: 短い対応でも労働時間です。
  • 出勤: 職場に到着してから業務を終えるまでの時間はもちろん、移動時間については会社の規定によりますが、業務としての移動であれば労働時間として扱うのが一般的です。

4. 総務担当者がチェックすべき「3つの境界線」

以下の3点を確認してください。

  1. 場所などの拘束があるか: 「外出するな」「酒を飲むな」「半径1km以内にいろ」などは問題があります。この場合、制限の柔軟性と手当の額によって問題を解消できる場合があります。
  2. 即応性の度合い: 「気づいたときに折り返せばいい」なら別ですが、「すぐ返信しないとペナルティ」なら労働時間に近いと言えます。

オンコール手当の額

待機手当(オンコール手当)の額は定額で定めるのが一般的です。

呼び出される可能性だけではなく、深夜の時間帯に及ぶ可能性があるか、服装などに制限があるか、遠方外出の制限があるか、飲酒の制限があるかなどによって手当の額を検討します。当然、制限が多いほうが待機手当が高くなる要素になります。

その業務が、特定の従業員しか対応できないものである場合は、さらに待機手当が高くなる要素になります。

額の大小はケースバイケースです。ただし、月に数千円程度だと負担に見合っていないという不満が出ると思われます。月に数万円が妥当だと思われますが、各種要素を考慮して決定しましょう。

待機手当を新設するとき、手当額等を変更するときは就業規則、賃金規程の改定が必要です。

職場内での待機

労働者を職場内に待機させ、仕事が発生したらすぐに出動するように命じている場合には、その待機に場所的な拘束があること、業務に備えた状態でいなければならないことから、使用者の直接の指揮命令が及んでいるとされ、結果的に業務が発生しなかったとしても、通常の労働時間にカウントしなければなりません。