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解雇

整理解雇をするときの注意点

Last Updated on 2023年2月28日 by

整理解雇とは

整理解雇をするためには、人員整理しなければならない程度に経営状態が悪化していることが前提です。

また、懲戒解雇などと違い個々の従業員に非違行為がないのですから、退職金を増額するなど一定の優遇措置をするのが一般的です。

整理解雇は、会社が特定の従業員を解雇することなので、指名解雇ともいいます。

整理解雇の際に業績回復後の再雇用を約束するのがレイオフです。

レイオフは優先再雇用を約束する整理解雇です

整理解雇の条件

整理解雇は、会社の経営状態が悪いという理由による解雇ですから、個々の従業員は解雇の理由となる非違行為をしたわけではありません。

したがって、整理解雇が有効とされるには、懲戒解雇と異なる条件(要件)を満たさなければならないとされています。

その条件は、以下の4つです。

1 人員整理の必要性があること
2 解雇を回避するための努力を尽くしたこと
3 解雇対象者の選定が合理的であること
4 労働者への説明、協議など、手続きを尽くしたこと

一番大事なのは1の「人員整理の必要性」です。人員を減らす必要が全くないのに整理解雇が有効になることはありません。人員削減の必要性がいくらかは認められるがその程度は大きくないとみなされれば2〜4の要件を厳しく吟味される傾向にあるようです。

2の「回避努力」については、具体的には、解雇を回避するために、雇用調整助成金の活用、希望退職を募る、退職勧奨などを行ったかというところがポイントになります。

3については、この機会に気に入らない人を解雇しようなどという意図があればとても合理的とは言えません。一定の年齢、一定の勤続年数、一定の職種などで公平に線引きする必要があります。

整理解雇の有効無効が裁判で争われたときは、上記の要件について、具体的にどの程度であればよいかという数値のような明確な基準があるわけではないので、最終的には総合的に判断されるというしかないようです。

退職勧奨はあくまでも選択肢の提示

希望退職の募集

一時帰休の注意点

解雇予告期間または予告手当が必要です

従業員を解雇しようとする場合、少なくとも30日前に予告しなければなりません。30日前の予告をしない場合、不足日数に対する平均賃金を支払わなければなりません。

解雇予告と解雇予告手当

求めに応じて証明書を発行しなければなりません

解雇の場合は、従業員は退職日までに、解雇の理由についての証明書を請求できます。これを一般に「解雇理由証明書」といいます。解雇理由証明書には、就業規則の第何条による解雇であるか、その規定に該当すると判断した事実関係について記載します。

解雇理由証明書について

また、解雇理由証明書の他に、従業員が、在職中の契約内容等について証明書の交付を請求したときは、いわゆる「退職証明書」を交付しなければなりません。

退職証明書について

金品の返還と帰郷の旅費支給

7日以内に残余の賃金の支払いをし、その他返還すべき金品を返還しなければなりません。

満18歳に満たない者を解雇した場合には、帰郷のための旅費を支給しなければなりません。

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