Last Updated on 2024年11月1日 by 勝
健康情報取扱の基本
事業者は、健康診断などを通じて、労働者の様々な種類の健康情報等を保有しています。これらの取扱いについては、目的に沿った適切な取扱いが求められるとともに、健康情報等の保護の観点から適正管理が必要です。
基本的事項
健康情報の取扱についての基本的な事項は以下の通りです。
□ 労働者の心身の状態に関する情報を収集し、保管し、又は使用するに当たっては、労働者の健康の確保に必要な範囲内で労働者の心身の状態に関する情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければなりません。
□ 労働者の心身の状態に関する情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければなりません。
□ 労働者の心身の状態に関する情報とは健康診断やストレスチェックの結果、さらに産業医面談の記録のことです。これは「要配慮個人情報」と言います。
□ 要配慮個人情報を従業員と会社の人事担当等、産業保健スタッフ(産業医・保健師)との三者間で取り扱うために健康情報管理規程を策定しなければなりません。
取扱情報の種類
以下の情報が該当します。基本的に従業員の健康に関する情報のすべてが該当します。
□ 産業保健スタッフが労働者の健康管理を通じて得た情報
□ 健康診断の結果
□ 長時間労働者や高ストレス者に対する面接指導の結果
□ 健康診断や面接指導の結果に基づく医師から聴取した意見や就業上の措置の内容
□ 保健指導の内容
□ 健康測定の結果
□ 欠勤や休職の際に労働者から提出された診断書
□ 上記のほか、従業員などから提供された本人の病歴、健康に関する情報 など
健康情報管理規程
規程策定
厚生労働省の指針(労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針)で、「事業者による労働者の健康確保措置が十全に行われるよう、事業者は、当該事業場における取扱規程を定め、労使で共有することが必要である」として、健康情報管理規程の策定を求めています
健康情報取扱規程が作成されているか確認しましょう。もし作成されていない場合は、速やかに作成しましょう。
健康情報取扱規程で策定すべき内容
策定すべき内容には、以下の9項目があります。詳細は会社の実情を考慮して策定します。
1. 目的と取扱方法
2. 取り扱い者と権限、情報の範囲
3. 通知方法および本人同意の取得方法
4. 適正管理方法
5. 開示や訂正、使用停止などの方法
6. 第三者提供の方法
7. 組織変更、事業承継に関する引継ぎ
8. 苦情処理
9. 周知方法
規程の策定方法
健康情報取扱規程の策定にあたっては、労使双方の意見を取り入れなければなりません。従業員が50人以上の事業場は、衛生委員会や安全衛生委員会を活用します。従業員50人未満の事業場は別途従業員から意見聴取できる場を設けることになります。
あらかじめ会社が用意した規程案をもとに審議してもらう形が現実的です。
健康情報管理規程のサンプル
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