指針の概要
事業者が講ずべき快適な職場環境の形成のための措置に関する指針の抜粋を記載します。
目標に関する事項
作業環境の管理
空気環境について浮遊粉じんや臭気等の労働者が不快に感じる因子が適切に管理されたものとするとともに、温度、照度等が作業に従事する労働者に適した状態に維持管理されるようにすること。
作業方法の改善
不自然な姿勢での作業や大きな筋力を必要とする作業等については、労働者の心身の負担が軽減されるよう作業方法の改善を図ること。
労働者の心身の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備
休憩室等の心身の疲労の回復を図るための施設の設置・整備を図ること。
その他の施設・設備の維持管理
洗面所、トイレ等の施設・設備については、清潔で使いやすい状態となるよう維持管理されていること。
事業者が講ずべき措置の内容に関する事項
作業環境を快適な状態に維持管理するための措置
空気環境
屋内作業場では、空気環境における浮遊粉じんや臭気等について、労働者が不快と感ずることのないよう維持管理されるよう必要な措置を講ずることとし、必要に応じ作業場内における喫煙場所を指定する等の喫煙対策を講ずること。また、浮遊粉じんや臭気等が常態的に発生している屋外作業場では、これらの発散を抑制するために必要な措置を講ずることが望ましいこと。
温熱条件
屋内作業場においては、作業の態様、季節等に応じて温度、湿度等の温熱条件を適切な状態に保つこと。また、屋外作業場については、夏季及び冬季における外気温等の影響を緩和するための措置を講ずることが望ましいこと。
視環境
作業に適した照度を確保するとともに、視野内に過度な輝度対比や不快なグレアが生じないように必要な措置を講ずること。また、屋内作業場については、採光、色彩環境、光源の性質などにも配慮した措置を講ずることが望ましいこと。
音環境
事務所については、外部からの騒音を有効に遮蔽する措置を講ずるとともに、OA機器等について低騒音機器の採用等により、低騒音化を図ること。また、事務所を除く屋内作業場についても、騒音の抑制を図ること。
作業空間等
作業空間や通路等の適切な確保を図ること。
労働者の従事する作業について、その方法を改善するための措置
(1) 不自然な姿勢での作業については、機械設備の改善等により作業方法の改善を図ること。
(2) 荷物の持ち運び等を常態的に行う作業や機械設備の取扱・操作等の作業で相当の筋力を要するものについては、助力装置の導入等により負担の軽減を図ること。
(3) 高温、多湿や騒音等の場所における作業については、防熱や遮音壁の設置、操作の遠隔化等により負担の軽減を図ること。
(4) 高い緊張状態の持続が要求される作業や一定の姿勢を長時間持続することを求められる作業等については、緊張を緩和するための機器の導入等により、負担の軽減を図ること。
(5) 日常用いる機械設備、事務機器や什器等については、識別しやすい文字により適切な表示を行うとともに、作業動作の特性に適合した操作が行える等作業をしやすい配慮がなされていること。
作業に従事することによる労働者の疲労の回復を図るための施設・設備の設置・整備
(1) 疲労やストレスを効果的に癒すことができるように、臥床できる設備を備えた休憩室等を確保すること。
(2) 多量の発汗や身体の汚れを伴う作業がある場合には、シャワー室等の洗身施設を整備するとともに、常時これを清潔にし、使いやすくしておくこと。
(3) 職場における疲労やストレス等に関し、相談に応ずることができるよう相談室等を確保すること。
(4) 職場内に労働者向けの運動施設を設置するとともに、敷地内に緑地を設ける等の環境整備を行うことが望ましいこと。
その他の快適な職場環境を形成するため必要な措置
(1) 洗面所、更衣室等の労働者の就業に際し必要となる設備を常時清潔で使いやすくしておくこと。
(2) 食堂等の食事をすることのできるスペースを確保し、これを清潔に管理しておくこと。
(3) 労働者の利便に供するよう給湯設備や談話室等を確保することが望ましいこと。
快適な職場環境の形成のための措置の実施に関し、考慮すべき事項
継続的かつ計画的な取組
快適な職場環境を適切に維持管理するためには、継続的かつ計画的な取組が不可欠である。このため、担当者を選任する等その推進体制の整備を図るとともに、設備等について、マニュアルを作成する等の措置を講ずること。また、事業場の職場環境を常時見直し、これに応じて必要な措置を講ずること。
労働者の意見の反映
例えば安全衛生委員会を活用する等により、その職場で働く労働者の意見ができるだけ反映されるよう必要な措置を講ずること。
個人差への配慮
労働者が作業をするに当たっての温度、照明等の職場の環境条件についての感じ方や作業から受ける心身の負担についての感じ方等には、個人差があることから、そのような個人差を考慮して必要な措置を講ずること。
潤いへの配慮
職場は、仕事の場として効率性や機能性が求められることは言うまでもないが、同時に、労働者が一定の時間を過ごしてそこで働くものであることから、生活の場としての潤いを持たせ、緊張をほぐすよう配慮すること。
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