育児休業制度のあらまし

Last Updated on 2021年8月13日 by

育児休業とは

育児休業とは、子を養育するためにする休業をいいます。

子というのは、原則として1歳に満たない子です。実子、養子を問いません。

父親、母親のいずれでも育児休業をすることができます。

育児休業をすることができるのは、原則として子が出生した日から子が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間で労働者が申し出た期間です。

育児休業の期間

子が1歳に達する時点で、次のいずれにも該当する場合には、子が1歳に達する日の翌日から子が1歳6か月に達する日までの期間について、事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができます。
① 育児休業に係る子が1歳に達する日において、労働者本人又は配偶者が育児休業をしている
場合
② 保育所に入所できない等、1歳を超えても休業が特に必要と認められる場合

子が1歳6か月に達する時点で、次のいずれにも該当する場合には、子が1歳6か月に達する日の翌日から子が2歳に達する日までの期間について、事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができます。
① 育児休業に係る子が1歳6か月に達する日において、労働者本人又は配偶者が育児休業をしている場合
② 保育所に入所できない等、1歳6か月を超えても休業が特に必要と認められる場合

なお、育児休業は分割取得できませんが、令和3年の法改正により、令和4年秋(予定)より、2回に分割して取得することができるようになります。

また、1歳以降の延長時の休業開始日は、育児休業法では、1歳から1歳6か月まで、または、1歳6か月から2歳までの各期間の開始時点しか認められていません。これも、期間途中での夫婦交代を可能にするため、配偶者が育児休業をする場合に限って、当該育児休業に係る育児休業終了予定日の翌日以前の日を開始日とすることも認められることとなっています。

育児休業の取得手順

労働者の申し出

労働者は、申し出ることにより、子(実子、養子、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子)が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間、育児休業をすることができます。

また、まだ就業規則、育児休業規程などを作っていない事業所であっても、法律に定められている権利なので請求があれば認めなければなりません。

請求資格を持つ従業員の請求があれば、たとえ小人数(一人でも)しか雇用していない事業主であっても休業取得を拒むことはできません。

事業主は時期をずらしてもらうような交渉をしてはいけません。超多忙など、切迫した事情があったとしても、希望通りに取らせなければなりません。

適用を除外される労働者

日々雇い入れられる者、有期契約労働者、および労使協定の締結事業場については、法律の範囲内で対象者を限定することができます。

関連記事:育児休業等の対象者と適用除外者

申出の時期

育児休業の開始を希望する日の1ヶ月前までに申し出なければなりません。

ただし、次のいずれかに該当する場合は、希望する日の1週間前までです。

1.出産予定日前の出生
2.子の親である配偶者の死亡
3.配偶者の負傷、疾病による子の養育困難
4.配偶者と子の同居の解消
5.育児休業の対象である子が、負傷、疾病などによって、2週間以上の期間にわたり世話を必要とする状態となったとき
6.育児休業の対象である子について、保育所への入所を希望しているが、入所できないとき

育児休業の申出が遅れた場合は、事業主はそのまま受け入れることもできますが、労働者が申し出た休業開始予定日から休業申出後1ヶ月経過日までのいずれかの日を指定することもできます。

たとえば、通常の状態で2週間前になって申出された場合、申出の日が5月1日、労働者の希望開始日が5月14日だとすれば、事業主は、5月14日から6月1日までの間の日を育児休業の開始日に指定することができます。

令和4年秋(2022)からは申出の期限が2週間前に短縮されます。

育児休業開始予定日の変更

開始予定日は、出産予定日前の出産等の場合に限り1回に限り繰上げ変更できます。一方、休業終了予定日は、当初の休業終了予定日の1ヶ月前に申し出れば、理由を問わず、1回に限り繰下げ変更ができます。ただし、休業予定終了日は、子が満1歳に達する日の前日までに限られます。

育児休業申出の撤回

業撤回の申出は、休業開始予定日の前日までは理由を問わずできますが、一度撤回すると、同じ子については、原則として再度の休業申出することができません。

育児休業期間の終了

育児休業は次の場合には終了します。

1.終了予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の子を養育しないこととなった事由が生じたこと。この場合、労働者は、当該事由が生じた旨を遅滞なく通知しなければならない。
2.終了予定日とされた日の前日までに、子が1歳(または1歳6ヶ月)に達したこと。
3.終了予定日とされた日までに、請求をした労働者が、産前産後休業、育児休業又は介護休業が始まったこと。

パパママ育休プラス

母(父)だけでなく父(母)も育児休業を取得する場合、休業可能期間が1歳2か月に達するまで(2か月分は父(母)のプラス分)に延長できます。ただし、父の場合、育児休業期間の上限は1年間。母の場合、産後休業期間と育児休業期間を合わせて1年間です

近々の改正法施行

育児休業の分割取得

現行の制度では、有期契約の従業員が契約更新するや、子どもの出生後8週間以内に父親が取得することを想定した、いわゆる「パパママ育休プラス」を除き、育児休業の取得は原則として1回のみとなっています。

また、保育所に入所できない等の理由により、子どもが1歳から1歳6ヶ月になるまでの休業(延長の育休)、1歳6ヶ月から2歳になるまでの休業(再延長の育休)に関しては、この1回の取得とは別にすることができ、各期間の初日が育児休業の開始日になっています。

育児介護休業法の改正により、1歳までの育児休業について、分割して2回まで取得することができることになります。

延長の育休、再延長の育休に関し、育児休業の開始日を柔軟にすることで各期間の途中でも取得できるものとして、夫婦交代で取得できます。

さらに、延長の育休、再延長の育休に関し、特別の事情がある場合には、再度育休が取得できます。

これらの改正により、かなり柔軟に育休が取得できるようになります。一方、会社としては育休の申し出に関し、回数の管理や期間の管理、それに付随する社会保険関連の手続きが必要になります。

また、就業規則または育児・介護休業規程等の変更も必要です。

この部分の施行期日は、公布日(2021年6月9日)から1年6ヶ月を超えない範囲内で政令で定める日となっていますが、早めに体制を準備しましょう。

出生時育児休業

育児の初期に男性育休を取りやすくするために、これまでの育児休業とは別に、出産日から8週間の間に、4週間の育休を取得できるようになります。令和4年秋(2022)施行予定です。

関連記事:出生時育児休業制度

育児休業の取得率公表

令和5年(2023)から、常時使用する労働者数が1,000人超の事業主に対し、育児休業の取得状況の公表が義務付けられます。

その他

育児休業給付金などの助成

育児休暇中には、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
育児休業給付金

また、社会保険料の免除等の措置を受けることができます。
子どもが生まれるときの社会保険手続き

規程の整備が必要

育児休業などの制度について就業規則などの社内規程の整備が必要です。次の規程サンプルは、厚生労働省が示した規定例をもとにしたものです。

育児介護休業等規程逐条解説

不利益取扱いをしてはいけない

事業主による、妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする不利益取り扱いは禁止されています(派遣労働者の派遣先にも適用)

また、事業主には、上司や同僚からの妊娠・出産・育児休業や介護休業等取得等を理由とする嫌がらせ等(いわゆるマタハラなど)を防止する措置を講じる義務があります(派遣労働者の派遣先にも適用)。

マタハラに対する会社の対応

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