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育児休業の取得手順
労働者の申し出
労働者は、申し出ることにより、子(実子、養子、特別養子縁組の監護期間中の子、養子縁組里親に委託されている子)が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間、育児休業をすることができます。
また、まだ就業規則、育児休業規程などを作っていない事業所であっても、法律に定められている権利なので請求があれば認めなければなりません。
請求資格を持つ従業員の請求があれば、たとえ小人数(一人でも)しか雇用していない事業主であっても休業取得を拒むことはできません。
事業主は時期をずらしてもらうような交渉をしてはいけません。超多忙など、切迫した事情があったとしても、希望通りに取らせなければなりません。
ただし、労使協定により次の労働者からの申出を拒むことができます。
1.当該事業主に引き続き雇用された期間が1年に満たない労働者
2.前号に掲げるもののほか、育児休業をすることができないこととすることについて合理的な理由があると認められる労働者として厚生労働省令で定めるもの
申出の時期
育児休業の開始を希望する日の1ヶ月前までに申し出なければなりません。
ただし、次のいずれかに該当する場合は、希望する日の1週間前までです。
1.出産予定日前の出生
2.子の親である配偶者の死亡
3.配偶者の負傷、疾病による子の養育困難
4.配偶者と子の同居の解消
5.育児休業の対象である子が、負傷、疾病などによって、2週間以上の期間にわたり世話を必要とする状態となったとき
6.育児休業の対象である子について、保育所への入所を希望しているが、入所できないとき
育児休業の申出が遅れた場合は、事業主はそのまま受け入れることもできますが、労働者が申し出た休業開始予定日から休業申出後1ヶ月経過日までのいずれかの日を指定することもできます。
たとえば、通常の状態で2週間前になって申出された場合、申出の日が5月1日、労働者の希望開始日が5月14日だとすれば、事業主は、5月14日から6月1日までの間の日を育児休業の開始日に指定することができます。
育児休業の延長
次のいずれかの事情がある場合は、子が1歳6ヶ月に達するまでの間、育児休業をすることができます。育児休業給付金も延長給付されます。
1.保育所に入所を希望しているが、入所できない場合
2.子の養育を行っている配偶者であって、1歳以降子を養育する予定であったものが、死亡、負傷、疾病等の事情により子を養育することが困難になった場合(育児休業中の労働者が継続して休業するほか、子が1歳まで育児休業をしていた配偶者に替わって子の1歳の誕生日から休業することもできます。)
1歳から1歳6ヶ月までの育児休業を申し出る場合は1歳の誕生日の2週間前までの申出が必要です。
さらに2歳までの再延長が可能です。対象になれば育児休業給付金も2歳まで支給されますよ。
パパママ育休プラス
母(父)だけでなく父(母)も育児休業を取得する場合、休業可能期間が1歳2か月に達するまで(2か月分は父(母)のプラス分)に延長できます。ただし、父の場合、育児休業期間の上限は1年間。母の場合、産後休業期間と育児休業期間を合わせて1年間です
育児休業開始予定日の変更
開始予定日は、出産予定日前の出産等の場合に限り1回に限り繰上げ変更できます。一方、休業終了予定日は、当初の休業終了予定日の1ヶ月前に申し出れば、理由を問わず、1回に限り繰下げ変更ができます。ただし、休業予定終了日は、子が満1歳に達する日の前日までに限られます。
育児休業申出の撤回
業撤回の申出は、休業開始予定日の前日までは理由を問わずできますが、一度撤回すると、同じ子については、原則として再度の休業申出することができません。
育児休業期間の終了
育児休業は次の場合には終了します。
1.終了予定日とされた日の前日までに、子の死亡その他の子を養育しないこととなった事由が生じたこと。この場合、労働者は、当該事由が生じた旨を遅滞なく通知しなければならない。
2.終了予定日とされた日の前日までに、子が1歳(または1歳6ヶ月)に達したこと。
3.終了予定日とされた日までに、請求をした労働者が、産前産後休業、育児休業又は介護休業が始まったこと。
その他
育児休業給付金などの助成
育児休暇中には、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
→育児休業給付金
また、社会保険料の免除等の措置を受けることができます。
→子どもが生まれるときの社会保険手続き
有期雇用者の扱い
有期雇用であっても一定の条件を満たせば育児休業等の対象になります。
1.当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者
2.その養育する子が1歳6か月になるまでのあいだに労働契約がなくなることが明らかでない者
規程の整備が必要
育児休業などの制度について就業規則などの社内規程の整備が必要です。次の規程サンプルは、厚生労働省が示した規定例をもとにしたものです。
不利益取扱いをしてはいけない
事業主による、妊娠・出産・育児休業・介護休業等を理由とする不利益取り扱いは禁止されています(派遣労働者の派遣先にも適用)
また、事業主には、上司や同僚からの妊娠・出産・育児休業や介護休業等取得等を理由とする嫌がらせ等(いわゆるマタハラなど)を防止する措置を講じる義務があります(派遣労働者の派遣先にも適用)。