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景品表示法のあらまし

Last Updated on 2023年12月11日 by

景品表示法とは

景品表示法は、消費者向けの広告や、販売の際の景品提供について規制する法律です。正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」です。

過大な景品の提供を禁止

企業が自社の商品やサービスを販売するにあたって景品を提供する場面で、過大な景品の提供を禁止する内容です。

第四条 内閣総理大臣は、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を確保するため必要があると認めるときは、景品類の価額の最高額若しくは総額、種類若しくは提供の方法その他景品類の提供に関する事項を制限し、又は景品類の提供を禁止することができる。

一般懸賞

一般懸賞は、商品・サービスの購入者に対して、くじ等の偶然性、競技・遊戯の優劣によって景品類を提供することです。

例えば、お買い上げ500円ごとにくじ券を配布して抽せんで景品を差し上げることです。この場合、取引価格が5000円未満の場合だと最高額は取引価格の20倍まで、5000円以上の場合は10万円まで。景品の総額は懸賞に係る売上予定総額の2%までとなります。

共同懸賞

商品・サービスの購入者に対して、一定の地域・業界事業者が共同で景品類を提供する懸賞です。例えば、商店街の歳末大売り出しでの抽選券の配布等です。この場合、景品の最高額は取引価格にかかわらず30万円まで。総額は懸賞に係る売上予定額の3%までとなります。

来店者への懸賞による景品類の提供

商品又は役務の購入を条件とせずに、来店者に対して景品類を提供する場合の取引の価額は原則として100円となり、来店者を対象として行う懸賞において提供できる景品類の最高額は100円の20倍である2000円です。ただし、別な取り扱いもあります。

不当な広告表示を禁止

主に消費者に向けて自社の商品やサービスを広告する場面において、企業による不当な広告表示を禁止する内容です。

第五条 事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。
一 商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であつて、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

優良誤認表示

「実際のものよりも著しく優良であると示す」ことを優良誤認表示といいます。

商品・サービスの性能や品質が、本当の性能や品質よりも非常に優れたものであるように見せて、消費者がよいものだと誤解するような広告のことです。

有利誤認表示

「事実に反して・・・・・他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す」ことを有利誤認表示といいます。

広告で示している値段、割引の内容、数量、支払い条件などの条件が、事実はそうでないのに、他の事業者から買うより非常に有利なものであるように見せて消費者を誤解させるような広告のことです。

ステルスマーケティング

景品表示法に関する内閣府告示で、いわゆる「ステルスマーケティング」が不当表示に指定されました。(2023年10月1日に施行)

ステルスマーケティングとは「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示」をすることです。

示されている運用基準によれば、例えば以下のようなことが該当します。

事業者が第三者に対して当該第三者のSNSや口コミサイト等に自らの商品又は役務に係る表示をさせる場合。

EC(電子商取引)サイトに出店する事業者が、いわゆるブローカー(レビュー等をSNS等において募集する者)や自らの商品の購入者に依頼して、購入した商品について、当該ECサイトのレビューを通じて表示させる場合。

事業者がアフィリエイトプログラムを用いた表示を行う際に、アフィリエイターに委託して、自らの商品又は役務について表示させる場合。

上記の場合、事業者が広告内容を明示的に指示していないとしても、宣伝を行うインフルエンサーなどが自主的に表示内容を決定しているとは認められない関係性がある場合には、ステルスマーケティングとして不当表示に当たる場合があります。

詳細

以上は概要です。詳細は消費者庁ホームページに掲載されています。


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